| ケーニグセグ創業者はつねに顧客寄りの発言を行ってきた |
エンジニアリングに精通しているだけあって、冷静にプロダクトとしての分析を行うようだ
さて、現在「もっとも平均価格帯が高い」部類のクルマを販売しているケーニグセグ。
現在のラインアップとしては「レゲーラ」「ジェスコ」「ジェメラ」「CC850」となりますが、いずれもその価格は「数億円」、出力は1,000馬力を軽く越えるというハイパーカーたちです。
ちなみにケーニグセグのクルマについて、高級さを追求したり、ブガッティのような高価格帯のクルマの需要が高まっているためにその市場を狙ったわけではなく、「単に性能を追求したら高くなった」だけというのは認識の必要があるところ。
そしてケーニグセグは(意外かもしれませんが)消費者に対する価格納得性(もしくはコストパフォーマンス)を重視しており、顧客に対し、いい買い物をしたと思わせるだけの製品を作らねばならないということも常に意識しているもよう。
そのためか、ピュアエレクトリックカーだと「これまでのような、数億円という金額を顧客からもらうようなクルマを作ることは難しい」と発言したこともありますね。
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ケーニグセグCEOはC8コルベットのコストパフォーマンスに驚愕
そしてケーニグセグCEO、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏はモントレー・カーウィーク開催中、カーメディアに対し「C8コルベットのコストパフォーマンスは信じがたい。あの価格で、あのレベルの性能を実現したことには驚きを隠せず、これはGMにとっても顧客にとっても素晴らしいことだ」と発言しています。
C8世代のコルベットはそれまでのフロントエンジンから思い切ってミッドエンジンへとスイッチし、そのためにすべてを新設計する必要が生じ、かつほかのGMのクルマとの共通性もかなり低いというスポーツカー。
よって必然的にコストが高くなってしまうのですが、GMは2020年モデルについては6万ドル以下(2023年モデルでは65,000ドル以上に上がってしまったけれど)という驚愕のプライスを実現しています。
もちろんこれは市場貫通価格、いわゆるペネトレーションプライスを採用することでその存在感を強めたいとうシボレーの意向があったのは間違いないものと思われ、しかし結果的には大量の注文が入り、そして注文した人の多くがこれまでの世代のコルベットとは比較にならないほど多くのオプションを装着しているというので、シボレーとしては嬉しい悲鳴が止まらないのかもしれませんね。
クリスチャン・フォン・ケーニグセグは地に足がついた人だった
なお、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏はけしてハイパーカーにしか興味がない人ではなく、日常の足はGテスラ・モデルS、そして趣味のクルマはGRヤリスという人(GRヤリスはすでに手放してしまったようだ)。
さらにはかつて乗っていたマツダ・ロードスターが忘れられずに買い戻したことがあるほか、家族や友人を非常に大事にし、成功した今でも成功する前と同様の落ち着いた生活を送っている好人物。※「ジェスコ」は父の名でもある
多くのプレミアムカーメーカーのCEOのように、自社製品ばかりを主張し他社製品を貶めるようなことはけしてなく、ライバル社の製品であっても、まったく価格帯が異なる製品でっても「いいものはいい」と素直に認めることができる人でもあり、だからこそ(自社製品と他社製品とを切り離さず、比較しない人だからこそ)他に類を見ないパフォーマンスを持つクルマを作ることができるのでしょうね。
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参照:The Drive