| おそらく新型ブロンコはアメリカ人の心に強く響くことになりそうだ |
フォードが新型ブロンコの発表を前に「ブロンコRプロトタイプ( Bronco R prototype )を公開。
これはロッド・ホールのバハ1000(メキシコで開催されるオフロード競技)優勝50周年を記念したもので、フォードが直々に、しかしゲイザー・ブロス・デザイン、そしてバハ1000トロフィー・トラック・チャンピオンであるキャメロン・スティールとのコラボレーションによって完成させたもの。
現時点では完全ワンオフのカスタムカーではありますが、そのシルエットやディティールは、来年春から生産が開始されると言われる「新型ブロンコ」を示唆している、とも考えられます。
新型ブロンコはやはりレトロ路線?
フロントを見ると、横に長い「Bronco」という文字が配されたフロントグリルが確認でき、このプロトタイプには「LEDライトバー」が装着されているものの、市販モデルではこのグリルをはさみ、上下に「3台目ブロンコ以降に採用された」角型ヘッドライトが採用されるのかもしれません(もしくは初代風の丸型ヘッドライトか)。
こちらは初代ブロンコのレーシングカーと。
ボディサイズや細部は異なるものの、フロントからリアにかけて一直線に伸びるライン、フェンダーアーチの形状に類似性があることがわかります。
ブロンコRプロトタイプは、ルーフが低くグラスエリアが広いためにスポーティーな印象を受けるものの、これは市販車では(もっと高いルーフに)改められるかもしれませんね。
リアからは市販モデルの面影を感じることができませんが、唯一それを匂わせるのは「テールランプ」。
なお、フォードいわく、このブロンコRプロトタイプのリアサスペンションは「市販モデルのブロンコに採用される5リンクサス」をベースにトラベルを457ミリ増加させたものだそう。
ちなみにフロントは356ミリのトラベルを持つ専用品。
ショックアブソーバーは前後ともFOXのカスタム品で、ホイールは17インチ、タイヤ外径37インチのBFグッドリッチ製。
プラットフォームそのものも新型ブロンコに採用される「T6アーキテクチャ」だとアナウンスされており、フォードは実際にこのブロンコRプロトタイプを今年のバハ1000にエントリーさせ、その耐久性をテストする、と述べています。
そのほか、フォード・パフォーマンスのオフロード部門を監督するブライアン・ノバク氏によれば、このブロンコRプロトタイプに搭載されるツインターボ”エコブースト”エンジンもまた、市販モデルのブロンコに積まれるものだそう。
ここから推測するに、市販モデルのブロンコは「274馬力の」2リッター4気筒、「330馬力の」3.6リッターV6、そしてそのハイパフォーマンス版である380馬力エンジンを積む可能性がある、ということに。
フォード・ブロンコはこんなクルマ
なおフォード・ブロンコはこんな車(これは初代)。
アメリカ映画によく出てくるあの車で、1966年から1996年まで生産されて5代目まで続いた人気車種。
ただしモデル末期は人気が振るわずに廃版となっていますが、一部では根強い人気を誇るモデルです。
アメリカではジープ・チェロキー、シボレー・ブレイザーと並ぶ人気を誇った車ではあるものの、徐々に競争力が低下し、同じフォードのエスケープにシェアを奪われるなど苦難の時代を過ごしたブロンコ。
レトロモダンな雰囲気で登場すれば、高い人気を得ることができるかもしれませんね(ランドローバー・ディフェンダーもその路線だと言える)。
なお、フォードはブロンコ復活計画を随分前から持っていたようで、2004年には「フォード・ブロンコ・コンセプト」を発表。
このブロンコ・コンセプトは2018年の映画「ランペイジ 巨獣大乱闘」にて、ドゥエイン・ジョンソンの愛車としても登場していますね。
VIA:Ford Performance