| フォードGTはすでに「伝説」になったと言っていい |
さて、フォードは「GT」について様々なバリエーションを追加しており、昨年に追加された「スタジオコレクション」もそのひとつ。
このスタジオコレクションは近代的なグラフィックやコントラストカラーが車体各部に用いられるもので、これまでフォードがGTに対して設定してきた「ヘリテージ重視の」レトロなオプションとは異なる趣向を持っています。
そして今回、その「スタジオ・コレクション」第一号車が完成したとしてお披露目されることになったわけですね。
-
フォードが「1966年のデイトナ優勝車を意識した」GT特別仕様車、そして新グラフィックを与えた「スタジオ・コレクション」を発表
| フォードは毎年少量づつ限定モデルを発表し、GTの希少性を高めている | フォードが先般より予告していたとおり、新しい「GTヘリテージ・エディション」を発表。フォードは「GT」に続々とスペシャルモデ ...
続きを見る
ストライプは「スピードへの情熱」を表現
今回公開されたフォードGT「スタジオコレクション」第一号車のボディカラーはシャドウブラック、そしてアクセントはコンペティションオレンジ。
このオレンジはフロントからルーフ、リアにまで繋がりますが、面白いのはその幅が一定ではなく、部位によって強弱がつけられていること。
さらにオレンジはフロントフェンダーそしてリーフサイドからリアフェンダーにかけても用いられています。
いままではこういったグラフィックを持つフォードGTは公開されておらず、それだけにちょっと新鮮ですね。
ちなみにこのグラフィックについて、(フォードGTの製造を請け負う)マルチマチック社のデザインチーフ、ギャレン・ニコゴージャン氏によると、「ストライプとアクセントはスピードへの情熱を表している」のだそう。
ブレーキキャリパーも「オレンジ」。
なお、フォードは各個体の希少性を高めるために各バリエーションの限定台数をごく少数に制限しており、このスタジオ・コレクションについては2021年モデルとして20台、2022年モデルに20台の「合計40台」のみに絞っています。
フォードGTは近代のクルマとしては「例外的に高額落札」される稀有な例
フォードGTはもともと「年間250台」の生産を2年のみ行う予定だったものの、あまりに購入希望者が多く、その予定を2年延長して合計1,000台の生産予定へ。
そして購入時には「2年間は売ってはならない」という契約で縛られることになり、よって売り物件も非常に少ないというのが現状です。
なお、これまでオークションにて落札された個体はいずれも1億数千万円という高値をつけており、今後も価値が上昇しこそすれ、下がることは一切なさそう。
-
フォードGTがまたしても1億7000万円で落札。近代のクルマとしては異例の高値落札が続く状態に
| ただし今後は売り物が続々登場すると思われ、相場には注視が必要 | 2017年モデルのフォードGT'66ヘリテージ・エディションが邦貨換算1億7000万円程度にて落札された、との報道。これはオークシ ...
続きを見る
そして、こういった状況を作ったのは、映画「フォードVSフェラーリ」で描かれたようなチャレンジであり、やはり挑戦が企業の価値を高めるのだと考えていいのかもしれません。
マンソリーは2台目のフォードGT「ル・マンソリー」を公開
そしてマンソリーはフォードGTのコンプリートカー、「ル・マンソリー(Le MANSORY)」の2台めを公開。
このル・マンソリーは、マンソリー30周年記念として発表されたクルマで、フォードGT「持ち込み」にて3台のみを製作すると発表されています。
1台めは鮮やかなブルーのボディカラーを持っていたものの、この2台めはブラックにレッドのアクセントという「マンソリーらしい」迫力のあるカラーリング。
見ての通り「フォードGT要素」が残っておらず、クルマの表情を決するヘッドライトも交換され、ボディは5センチワイドに、そして巨大なリアウイングも装着されています。
なお、マンソリーだけあって出力も「ノーマルのまま」ではなく、+35馬力となる700馬力を発生し、これによって最高速は354km/hへ。
インテリアもブラックとレッドにて統一され、サイドシルには「Le MANSORY」のロゴが入っているようですね。
ル・マンソリーの正式な価格は非公開ですが、ベースモデルのフォードGT抜きで2億3000万円程度だとも報じられています。