| アストンマーティン・ヴァンキッシュと同じクルマを第三者が製造可能に |
アストンマーティンは先日ついに上場を果たしたところですが、その際、株主向けに配布された資料の中には「アストンマーティン初のSUV、”DBX”に積まれるエンジンはV8」であるという記載があったのは既報の通り。
そして今回、同じ資料の中に驚くべき事実として、「アストンマーティンが約30億円で、どこかにヴァンキッシュの生産設備とデザインを売却した」ことが記載されている、と報じられています。
https://intensive911.com/?p=164825
購入したのは欧州のチューナー?
なお資料は合計で321ページというボリュームを誇り、上述のヴァンキッシュについて、販売先は明かされていないものの、18ヶ月のアストンマーティン・コンサルティング(AMC)によるコンサルタント付きでの売却である、と明記されている模様。
アストンマーティンはすでにヴァンキッシュの生産を終えており、その後継モデルとして「DBSスーパーレッジェーラ」を発表していますが、そこで「もう使わない」ヴァンキッシュの工作機械を売却したもの考えられますが、これを購入した個人もしくは会社は「ヴァンキッシュを生産する」ということになりそうです。
なお、金額から判断するに工場や土地は含まれず、あくまでも売却の対象は「製造設備」とデザイン、そしてコンサルタント業務、ということなのでしょうね。
もちろん購入者は「アストンマーティン」の商標は使用できないとは思われるものの、アストンマーティンは今回デザインも同時に売却しているので、ヴァンキッシュと同じデザインを持つクルマを第三者が生産できる、ということに(これまでのヴァンキッシュとの混同を避けるため、多少のデザイン変更などの制限は契約に盛り込んでいるのかもしれない)。
今回これを購入した個人もしくは会社についてはまったく不明ですが、市場に流れる憶測としては「欧州のチューニングカンパニー」というものが主なもの。
アレス・デザインやマンソリーは現在「コーチビルダー」という位置づけではあるものの、今後自社での車体製作も考慮に入れているといい、このあたり、そしてアストンマーティンのチューンドカーを発表しているカーン・デザインも購入者候補のひとつだと考えられます。
今回の件について、かなり驚きの事実ではあるものの、アストンマーティンはこれによって大きな利益を得ることになり、今後こういった「コンサルティング」ビジネスを拡大することで収益の増加を図ってゆくのかもしれませんね。