| ここ最近、非常に高額なレーシングシミュレーターの発売が相次いでいる |
そんな中では「まだ安い」部類かも
さて、先日はスバル・インプレッサWRXのレストモッド「P25」を発表した英国のレーシングカーコンストラクター「プロドライブ」。
プロドライブは、世界最高峰のラリーカー(1995年にコリン・マクレーのドライブにて優勝したスバル・インプレッサWRXなど)にて成功を収めたモータースポーツの名門で、ラリー以外だとブリティッシュツーリングカーや耐久レースに参戦するGTカーなどのレーシングカーの製造で知られます。
加えて、ル・マン24時間レースにフェラーリとアストンマーティンにて参戦しGTクラスにて優勝を果たたほか、トータルで1200以上ものレース(サーキット、オフロード問わず)を戦い、300以上の勝利と500回近い表彰台を獲得していますが、今回はその活躍の場をeスポーツへと移し、「現代では最高峰の」レーシングシミュレーターを発表することに。
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デザインを担当したのは元ジャガーのデザイナー
デザインを手掛けたのは「デザインハウス・カラム」だとされ、これは前ジャガーのデザイナーであるイアン・カラム氏が主宰するデザイン会社。
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ちなみにプロドライブがちょっと前に発表したスーパーオフローダーもイアン・カラム氏のデザインなので、両者の関係はかなり強固だと考えていいのかもしれません。
イアン・カラム氏はこのシミュレーターについて「このプロジェクトには、技術的に刺激的で、かつ視覚的に印象的なものを作るという、非常に明確なビジョンがありました。機能的でよく知られた自動車のような構造ではなく、より抽象的で現代的、かつエレガントなもにしたかったのです。その結果、非常に興味をそそられるデザインに仕上がっており、シミュレーターとわかっていても、ついつい見入ってしまう美しさを持っています。そのフォルムとピアノブラックの光沢仕上げは、レーシングシミュレーターをまったく新しい次元へと導き、リビングスペースに優雅に佇む家具のように見せているのです」とコメントしています。
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世界最高峰のレーシングシミュレーターはこんな仕様を持っている
このレーシングシミュレーターは、16層のバーチ材で構成されたキャノピー、そしてカーボンファイバー製モノコックによって構成され、プロドライブによると「12GBのGeForce RTXグラフィックスカードと16GBのメモリを搭載した専用システムを中心に、滑らかなグラフィックスを実現する49インチの高解像度ディスプレイを持ち、シムキューブ・ステアリングモーターと結合したプレシジョン・シム・ステアリングホイールによる正確極まりない入力を可能とし、ペダルボックスはリアルな体験を追求してメカニカル構造を意図的に採用」。
なお、カーボン製モノコックはフローティング構造を採用しており、このシミュレーターのひとつのハイライトとなっています。
ちなみにこのレーシングシミュレーターの価格は39,000ポンド、日本円にして約643万円。
購入希望社はプロドライブの顧客リストへと登録した後にプロドライブの本社を訪問して実際に体験ができるそうですが、その結果購入に至ればプロドライブが「自宅までに配送を手配すること」になるのだそう。
プロドライブ会長、デビッド・リチャーズ氏によれば、「より多くのデジタル機器が家庭に置かれるようになった今、より印象的な作品を作ることを考えた」といい、「ここ数年、ゲームやeスポーツを始める人が爆発的に増えてました。しかし、私はテクノロジーと現代的な家具を融合させ、邪魔にならない場所に置くのではなく、グランドピアノのように家に飾っておけるような、誇れるものを作りたかったのです。現代美術のギャラリーに置いても違和感のないものに仕上がったと自負しています」。
たしかにこのレーシングシミュレーターの細部を見ると、もはやeスポーツ用のデバイスというよりは「家具だともオブジェだとも」捉えることができそう。
そして金属パーツ、カーボンパーツのフィニッシュを見るに「プロドライブがレーシングカーを作るのと同じクオリティ」で仕上げられていることもわかり、ある意味では643万円という価格も高いと断じることはできないのかもしれません。
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参照:Prodrive