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ステランティスが「5年早く」傘下の14ブランドの去就を判断するとコメント。マセラティ、アルファロメオなどは2026年までにその存在価値を示す必要が生じる

マセラティ

| 当初の予定だと「10年」つまり2031年までに自身の存在価値を示すことができればOKであったが |

今回の決定によって傘下の14ブランドは計画の遂行を早める必要が生じる

さて、ステランティスは旧フィアット・クライスラー(FCA)とプジョー・シトロエン(PSA)とが合併して誕生した多国籍巨大企業であり、その傘下にはクライスラー、ダッジ、ジープ、ラム、フィアット、アルファロメオ、フィアットプロフェッショナル、ランチア、マセラティ、プジョー、シトロエン、DS、オペル、ボグゾール(ボクスホール)という14ものブランドが存続しています。

そしてステランティス発足当時、CEOのカルロス・タバレス氏はこれら14のブランドに対して「資金と猶予を与え」、10年間という長い期間においてそのブランドの価値を示すように指示しているのですが、昨今の販売減少によってその事情が変わってしまい、各ブランドは予定よりも5年早い「2026年までに」その価値を示す必要が生じたもよう。

つまり各ブランドとも、2031年までと想定していた計画が突如「2026年に」前倒しされてしまったということになり、そして2026年というともう2年しかなく、よって悠長なことを言っている時間がない段階に差し掛かっています。

ステランティスは2026年に大きな変革を迎える

今回の「5年前倒し」はパリ・モーターショーの場においてカーメディアに対して語られたもので、正確に言うならば「Dare Forward 2030計画の約2/3が進んだところで各ブランドのパフォーマンスをレビューしますので、2~3年内に決定が予想されます」という内容です。

また、一部の製品発売が「変化する状況」によって変更された可能性はあるものの、いずれもキャンセルはされていないとも付け加えていて、あくまでも「おおむね計画通り」であることをアピールしていますが、これは株価対策なのかもしれません。

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さらに事態を複雑にしているのは、「カルロス・タバレスCEOが、2026年初頭、現在の契約が終了する際に退任する」と発表したこと。

同氏の在任中は決してスムーズではなく、米国のディーラーや労働組合から彼の戦略に対して厳しい批判を受けていたものの、2026年はじめに退任するということは「2026年に傘下の14ブランドのレビューを終え、廃止されるブランドが出現し実際の混乱が始まる前」に舞台を去ることができるわけですね(いちばん困難な場面に遭遇せずにすむ)。

そしてそう遠くないうちにカルロス・タバレス氏の後任探しが始まるものと思われ、そしてその後任者は(着任後まもなく)どのブランドを存続させ、どのブランドを切り捨て、あるいは売却したりするかを決めなければならないということに。

ただ、ひとつ朗報があるとすれば、同じくパリ・モーターショーに出席していたステランティスの会長、ジョン・エルカン氏が他のメーカーとの合併や買収に興味を持っていないと述べたこと。

「私たちは統合の準備はできていませんが、非統合の準備もできていません。今はその時期ではありません。私たちは本当にビジネスに集中しており、主要な株主、取締役会、CEO、経営チームのレベルで進めています。統合の動きの可能性については、どんなものでも気を散らすものではありません。」

加えてカルロス・タバレスCEOの離脱については「引責辞任」ではなくはカルロス・タバレス氏自身の希望であったと主張していて、過去4年間にわたるCEOの仕事を称賛し、主要株主と取締役会によるカルロス・タバレスへCEOへの継続的な支持を確認ています。

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