ポルシェ、ブガッティ、メルセデス・ベンツ、アストンマーティン、そしてパガーニまで。なぜプレミアムカーメーカーはこぞって不動産やタワーマンションビジネスへと参入するのか？

｜　さらにはランボルギーニも不動産事業に参入、一方でフェラーリは今のところここに手を伸ばしていない　｜

オーナーにとっては「そのブランドの世界観に浸れる」またとない機会であるようには思われるが

さて、現在いくつかのプレミアムカーメーカーが手掛けているのが「不動産事業」。

ポルシェやブガッティ、ベントレー、アストンマーティン、メルセデス・ベンツはマイアミやドバイ他にタワーマンションを建設し、アストンマーティンやランボルギーニは別荘地にてヴィラの分譲を行うなど様々な展開が見られます。

そしてこれらは一つのトレンドとも言える動きとなっており、「なぜ」この流れが加速しているのかを見てみましょう。

やはり現時点では「マイアミ」に注目が集まっている

現在これらプレミアムカーメーカーのタワマンが集中しているのはやはり「マイアミ」。

とくにポルシェデザインによる195メートルの高さを誇る”ポルシェタワー”は圧巻であり、これはポルシェ・デザインが2014年にデザー・デベロップメントと提携して建設したもので、「世界初の、自動車メーカーの名前がついた摩天楼」としても知られています。

その後、アストンマーティンがマイアミのダウンタウンに約249メートルの（391戸の住居を持つ）タワーマンション完成させていますが、これは北米だと”最も高い住宅用建物”の一つであると報じられ、さらにはこれに続くのはベントレー、パガーニ、そしてメルセデス・ベンツ。

こうやって見ると「本業そっちのけ」で別事業の展開を行っているように見えなくもないですが、実際にこういった住居やマンションの建設を行っているのは自動車メーカーではなく、そこから名前の使用権を借りた不動産デベロッパーであり、自動車メーカーはここから「ライセンス収入」を得ることができるため、非常に”おいしい”ビジネスでもあるわけですね。

そしてデベロッパーが現在こういったプレミアムカーメーカーに注目する理由はズバリ「高く売れるから」で、「名前がない」不動産に比較すると40％も高く売れることがあるのだそう。

そしてもう一つ自動車メーカー側にとってのメリットは「ライフスタイル商品のポートフォリオを拡大できる」ということで、とくにブガッティやベントレーなどは「家具」の品揃えを拡大し、マンションの購買層や購買予備軍へとアピールすることが可能となっているわけですね。

こうやって見ると、不動産ビジネスはデベロッパーにとって「通常よりも販売価格を高く設定できるので収益性が高い」ビジネスとなり、自動車メーカーからしても「その世界観を壊すことなく顧客の帰属意識を高め、新しい世界へと乗り出す足ががりとなり、さらにはライセンス収入を得ることができる」ありがたい新ジャンルということに。

しかしながらまだ同様のビジネスに乗り入れていないプレミアムカーブランドもあり、それは「フェラーリ」。

フェラーリこそがこういったビジネスに最も適しているように思われ（当然ながら様々な話が来ているのだと思われる）、しかしまだ手を出していないのには何らかの理由があるのかもしれません。

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