
コルベットも「マスタング」同様、サブブランド化が検討されていたが
「コルベット」のイメージ保護を主な理由に「その計画が中止された」もよう
アメリカを代表するピュアスポーツカーとして長い歴史を誇るシボレー・コルベット。
近年、ゼネラルモータース(GM)が「コルベット(Corvette)」の名を独立したパフォーマンスブランドへと引き上げ、SUVや4ドアセダンといった派生モデルを展開するという噂が大きな注目を集めていたことも記憶に新しいかと思います。
しかし最新の報道によると、GMはこの野心的なブランド拡大計画のプラグを抜いた(白紙撤回した)とされており、ここでスポーツカーファンを揺るがせた「コルベットSUV化構想」の真実、そして今後の電動化戦略について考えてみましょう。
この記事の要約
- ゼネラルモータース(GM)が進めていたシボレー・コルベットの「ブランド独立化」および電動SUV・4ドアセダンの開発計画が白紙撤回されたと報じられる
- 社内で「V224(電動SUV)」や「V285(4ドアファストバック)」として進められていた派生プロジェクトが凍結されたもよう
- 派生モデルの計画は中止されたものの、伝統の2ドアスポーツカーとしての将来的なフルEV化構想や、V8ミッドシップ路線自体は今後も継続される見込みである

シボレー・コルベット「ブランド拡大」白紙撤回計画の概要
GMは2022年頃から伝統的な2ドアクーペ/コンバーチブルの枠を超え、コルベットの名を冠したEV派生モデルを投入するサブブランド化構想を検討してきましたが、海外メディア「GM Authority」等の報道によれば、GMのEV専用プラットフォーム「BEV Prime」を採用した複数の新規プロジェクトが極秘裏に進行していた、とのこと。
しかし、近年のEV需要の鈍化やブランドアイデンティティの保護といった観点から、GMはこれら派生モデルの開発計画を一丸となって凍結・キャンセルした、と報じられているわけですね。
計画されていた開発コードと技術スペックの概要
今回開発が断念されたとされる主要モデルの詳細は以下の通りとなっており・・・。
| 開発コード / 車種 | 計画されていたプラットフォーム / 駆動方式 | 想定されていたボディ形状と特徴 |
| V224(電動SUV) | BEV Prime プラットフォーム / 4WD(マルチモーター) | ポルシェ・マカンEVやランボルギーニ・ウルスに対抗する高性能EV SUV |
| V284(電動2ドア) | BEV Prime プラットフォーム / RWDまたは4WD | 次世代を見据えた純電動2ドアスポーツカー |
| V285(4ドアセダン) | BEV Prime プラットフォーム / 4WD | ポルシェ・タイカンに対抗する流麗なファストバック風4ドアセダン |
| トランスミッション方針 | 8速DCT(現行C8)※マニュアル(MT)の復活予定はなし | C8のミッドシップ構造上、MT新開発の投資回収が困難なため非採用 |
あわせて、コルベットのエグゼクティブ・チーフエンジニアであるトニー・ローマ氏によれば、現行C8世代で要望の多かったマニュアルトランスミッション(MT)の復権についても「ミッドシップレイアウト専用のMTを新開発するための膨大な投資に見合わない」として「正式に導入する予定がない」。

競合「マスタング」との戦略比較と市場での位置付け
自動車業界では歴史的スポーツカーの名を冠した派生モデルの投入が相次いでおり、フォードが「マスタング」の名を冠した電動クロスオーバー「マスタング Mach-E」を成功させ、さらに4ドアガソリンセダンの検討を進めているのと対照的に、GMはコルベットのブランド保護に舵を切ったというのが今回の決定です。
コルベットのファンやピュアリスト(純粋主義者)からは、ポルシェ・カイエンやマスタング Mach-Eのようなボディタイプの多角化に対して強い懸念が示されてたといい、今回SUVやセダンの計画が撤回されたことでコルベットは「ピュアなアメリカンスポーツカー」としての孤高の存在感を維持することにもなるわけですね。
将来的な「完全電動コルベット」への展望
SUVや4ドアセダンの派生モデル計画は白紙となったものの、「2ドアスポーツカーとしてのフルEVコルベット」そのものが消滅したわけではなく、興味深いことにトニー・ローマ氏をはじめとするGM開発陣は「EVは最終的な到達点(End Game)であり、電動化された2ドアコルベットはいつか必ず登場する」と明言しています。

そしてこの「完全電動コルベット」は現行のC8世代の次期型にあたる「C9世代」以降での登場が予想されており、現行世代ではV8内燃機関やハイブリッド(E-Ray等)の技術を極めつつ、着実に次世代電動化への準備が進められている、ということもわかります。
結論
シボレー・コルベットのSUVおよびセダン化計画の撤回は、アイコンモデルとしての伝統と品格を守るというGMの強い意思表示とも言えるもの。
安易なブランド名の切り売りを避け、純粋な2ドアスポーツカーとしてのパフォーマンス向上に集中するGMの判断は、世界中のコルベット・ファンにとっても朗報となるはずで、今後のV8ミッドシップモデルの進化、そして将来訪れるであろう純電動2ドアスポーツの完成には期待がかかろうというものですね。
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参照:GM Authority, The Wall Street Journal











