
| 「輸入車からマツダ」は日本だけの現象ではなかった |
日本だと海外プレミアムブランドからマツダCX-60 / CX-80への乗り換えの例が少なくないというが
「BMW X5やメルセデス・ベンツ GLEに乗っているけれど、次の車検で乗り換えるとなると総額1,000万円超えは当たり前。本当にそこまでの価値があるのだろうか」
今、北米を中心とした自動車市場でこう考える人が続出しているといい、これまで高級車一筋だったオーナーたちが、続々と韓国の「ジェネシス GV80」や「マツダ CX-70」といった新世代SUVに乗り換えているのだそう。
単なる「節約」にとどまらない、現代の自動車オーナーたちが気づいた「エンブレムの本当の価値」と、約300万円安くても圧倒的な満足感を得られる理由について触れてみたいと思います。
【この記事の要約】
- 高級SUVオーナーの32%が「一般ブランド」へ離脱:米Kelley Blue Bookの調査によると、ミドルサイズ高級SUVからの乗り換え客の3割以上が一般(普及価格帯)ブランドを選択し、平均19,100ドル(約280万〜300万円)の節約に成功している
- 「ブランドの壁」崩壊:J.D. パワーの魅力度調査において、高級ブランドと一般ブランドの満足度差は2008年の「66ポイント」から「29ポイント」へ劇的に縮小。「高いロゴ代」を払うことに疑問を持つユーザーが増えている
- 架け橋となる2台の台頭:ドイツ系プレミアム車に匹敵する質感を持つ「ジェネシス GV80」と、直6FRプラットフォームを採用した「マツダ CX-70」が、賢い買い手から絶大な支持を集めている

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「エンブレム代に1000万円」はもう時代遅れ?
米国の自動車査定大手Kelley Blue Bookのデータによると、ミドルサイズ高級SUVを所有していたユーザーのうち、実に32%が非高級ブランド(メインストリーム)車へ乗り換えたことが判明しており、さらにそのうちの11%は「明確にワンランク下の価格帯」を選びながらも、平均して19,100ドル(約320万)もの資金を手元に残している、とのこと。
かつては「高級車と一般車」の間に決定的な装備や質感の差(格差)が存在し、しかし、J.D. パワーの「APEAL(自動車商品魅力度調査)」データを見ると、高級ブランドと一般ブランドの評価点差は2008年の66ポイント差から直近ではわずか29ポイント差にまで急速に縮まっていることも明らかに。
これは(今日では)一般ブランドの最新SUVであっても、上質なレザーインテリア、巨大なデジタルモニター、高度な運転支援システムが当たり前のように装備されているためで、つまり「プレミアムカーブランドと普及価格帯ブランドとの製品の(装備や品質の)差が小さくなった」ということを意味します。

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「ジャーマンスリー」が直面するインセンティブ(値引き)の地獄
現在、(北米市場において)高級車メーカーは過剰な在庫に悩まされているといい、メインストリーム(一般向け)車が平均56日で売れていくのに対し、高級車は平均67日を要しており、メーカー側は平均7.3%ものインセンティブ(値引きや販売奨励金)を提示しなければ売れない状況に追い込まれているのだそう。
「高いコストを支払ってドイツ車のベースグレード(標準装備モデル)を買うくらいなら、同じ予算かそれ以下でフルオプションの『ジェネシス』や『マツダ』に乗る方が遥かに豊かなカーライフを送れる」という合理的な考え方が広まっていることもその背景にあるといい、これもやはり普及価格帯のクルマが「プレミアムカーに追いついた」ということを示唆していて、実際のところ、ここ数年でぼくが(欧州車ではなく)トヨタ車を乗り継いでいるのも同じ理由によるものです。
ジェネシス GV80 & マツダ CX-70 主要スペック比較
高級車からの乗り換え先として今最も熱い視線を浴びている2台、「ジェネシス GV80」と「マツダ CX-70」のスペックや特徴をまとめてみると以下の通り。
| 項目 | ジェネシス GV80(2026モデル) | マツダ CX-70(2026モデル) |
| ブランドの位置付け | 近代ラグジュアリー(ヒョンデ高級車部門) | プレミアム路線に挑むメインストリーム |
| 米国スタート価格 | $57,700〜(約890万円〜) | $42,250〜(約660万円〜) |
| 主要パワートレイン | 2.5L 直4ターボ(300hp) 3.5L V6ツインターボ(375hp) | 3.3L 直6ターボ+48V M-Boost(280hp / 340hp) 2.5L PHEVモデルあり |
| 駆動方式 / トランスミッション | FR / 4WD(8速AT) | FRベース 4WD(i-Activ AWD / 8速AT) |
| インテリアの特徴 | 27インチ一体型OLEDディスプレイ Bang & Olufsen 21スピーカー | ナッパレザー&和風ステッチデザイン 最大75.3立方フィートの広大な荷室 |
| ターゲット層 | ドイツ系高級車の「威圧感・維持費」に疲れた人 | 車の走り・デザインとコスパを両立したい人 |

2台の特徴と魅力
- ジェネシス GV80:真の「アッパー・ラグジュアリー」キラー:BMW X5(米国ベース価格:約67,600ドル〜)を検討するユーザーにとって、GV80は完璧な対抗馬。ダッシュボードを覆い尽くす27インチの巨大有機EL(OLED)ディスプレイや本革シート、圧倒的な静粛性を誇りながら、同等装備のドイツ車より数千〜数万ドル安く手に入る
- マツダ CX-70:「直6 FR」という狂気のこだわり:一般的なFF(前輪駆動)ベースのSUVとは一線を画す「ラージ商品群(FRプラットフォーム+直列6缸エンジン)」を採用。BMWのお株を奪うような滑らかな加速フィールと走行性能を誇りながら、ベース価格は42,250ドルという破格の設定。荷室容量もポルシェやBMWの同クラスを凌駕する
競合比較と市場での位置付け
仮にライバルとなる独プレミアム御三家(BMW X5、メルセデス・ベンツ GLE、アウディ Q7)と横並びで比較した場合、市場での立ち位置は以下のようになり・・・。
1. 「素のドイツ車」vs「フル装備のGV80 / CX-70」
BMWやベンツのベースグレード(素のモデル)は、一見すると価格が抑えられているように見えますが、欲しいオプション(高級レザー、サウンドシステム、先進安全装備など)を追加していくと、あっという間に1,200万〜1,500万円クラスに跳ね上がります。
一方、GV80やCX-70は初期状態からトップクラスの豪華装備が標準化されており、「同じ予算を出せば、ドイツ車なら素のモデルしか買えないが、マツダやジェネシスなら最高のフルオプション仕様が手に入り、さらに300万円以上がお釣りとして手元に残る」という現象が起きているというわけですね。

2. 「見栄(バッジ)」か「実質(満足度)」か
かつて高級車が提供していたのは「走行性能」「耐久性」「デザイン」「ステータス」「高級感」の全てにおいて。
しかし現代において「走行性能」や「快適性」の面ではマツダやジェネシスが肉薄どころか一部で凌駕し始めており、信頼性含む「耐久性」についてもマツダやジェネシスのほうが「客観的に」高い評価を獲得しており、「高級感」においても価格以上の差を見出すのは難しいというのが現状です。
つまるところ、現在、高級車メーカーに支払う差額の大部分は「ブランドロゴ(エンブレム)の威光代」になりつつあり、そこに疑問を持った賢明なユーザーたちが離脱を始めているのが現在のSUV市場の構図というわけですね。
そしてもうひとつこの状況が示唆しているのは、高級車メーカーが「新しい、そのブランドにしかない価値」を提案しない限り、この状況はますます進行してゆくであろうということで、そして「ブランド」が1日にして成らないのと同様、プレミアムカーメーカーが「新しいブランド価値」を構築するのには長い時間がかかるのかもしれません。

【知っておきたい関連情報】日本市場での選択肢と「マツダのラージ戦略」
今回の北米市場でのデータは日本の自動車ユーザーにとっても決して他人事ではなく・・・。
日本での「CX-70」と「CX-80」の関係性
今回取り上げたマツダ「CX-70」は北米およびカナダ向けのワイドボディ2列シートSUVであり、日本市場への導入予定はないクルマ。
しかし、日本市場には全く同じラージ商品群プラットフォーム(直6 FR / PHEV)を採用した3列シートSUV「CX-80」や、2列シートの「CX-60」が存在します。
輸入車SUV(ベンツ GLEやBMW X5、アウディ Q7)の新車価格が1,000万〜1,500万円以上に高騰する中、日本のマツダ「CX-60 / CX-80」は500万〜700万円台で直列6気筒ディーゼルやPHEV、豪華なナッパレザー内装を手に入れられるため、(上述の通り)国内でも「輸入外車からの乗り換え組」が確実に増えているといい、確実に世界中においてクルマの価値観に対するパラダイムシフトが起きている、ということになりそうですね(こういった意識の変化につき、製品の変化が先なのか、消費者の価値観の変化が先なのかはわからないが、おそらくは両方であろう)。

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ジェネシスの日本参入の可能性は?
ヒョンデの高級ブランド「ジェネシス(Genesis)」は、現在韓国・北米・欧州・中東などで大成功を収めていますが、日本国内への正規導入は行われていないという状況(ただ、何台かは日本に入ってきており、登録もなされている)。
しかし、ヒョンデ自体はEV(IONIQ 5など)やコンパクトSUV(KONA)で日本市場へ再参入を果たしており、グローバルで高い評価を得ているジェネシスブランドについても参入への期待が高まるところです。
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結論
「高級SUVに乗るには70,000ドル(1,000万円)以上を出さなければならない」という時代が終わりを告げたというのがいま現在。
もし特定ブランドのエンブレムをボンネットに掲げることに強い拘り(ステータス)を持っているのであればBMWやメルセデスを選ぶ価値は今もあり、しかし、「走行性能」「所有する喜び」「上質なインテリア」「最新技術」をブランドに関係なく求めているのであれば、約300万円もの大金を節約できるジェネシス GV80やマツダ CX-70(日本ならCX-60/CX-80)は現代において最も賢く、最も満足度の高い選択肢となるのかもしれません。

さらにマツダだと「車両価格がもともと低く」「幅広い需要があるため」中古市場での価格も(新車価格に比較すると)高値で推移しており、つまり売却時に失うお金もプレミアムカーブランドに比較すると「小さい」はずであり、カーライフ通じて”手元に残る”お金はけっこう大きなものとなるのかも。
そう考えるならば、自動車を選ぶ基準を「ブランドの知名度」から「自分にとっての実質的な価値」へと切り替えた時、そのオーナーのカーライフと資産形成はより豊かなものになるのかもしれませんね。
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