| もしかするとアストンマーティンの「ミドシップ」は今後発売されることがないかもしれない |
そして2019年のプロジェクト発表以降、多くのスーパーカー/ハイパーカーが登場したためにヴァルハラの与えるインパクトが弱くなってしまったのも事実である
さて、現在のローレンス・ストロール体制となった後に独自の路線にて積極展開を行うアストンマーティン。
すでにハイパーカーとしてはヴァルキリーを発売済ですが、続くハイパーカー第二弾が今回目撃されたヴァルハラで、今回YouTube上へと公開されたスパイビデオを見るに、かなりの段階まで開発が進んでいることを伺わせます。
なお、ヴァルハラはもともとアストンマーティンが自社開発したV6エンジンを積んでデビューする予定であったものの、その後経営者が変わるに際してこのV6エンジンを計画ごと凍結し、かわりに選ばれたのが(新体制のアストンマーティンに多くの資金を注入した)メルセデスAMGによるV8エンジン。
そしてこのヴァルハラは4リッターツインターボエンジンに加えフロントアクスルに2つのエレクトリックモーターを備えるハイブリッドカーであり、システム合計出力は900馬力超、トランスミッションには8速デュアルクラッチを採用し、車体重量は1,550kg、0-100km/h加速わずか2.5秒というスペックとともに登場すると見られています。
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当初の計画からはずいぶん変更となってしまったが
参考までに、(ヴァルハラ計画がスタートした当時の)アストンマーティンはヴァルキリー、ヴァルハラに続き、新型ヴァンキッシュをミドシップとして発売する計画を持っており、しかしヴァンキッシュのミドシップ化は結果的に見送られて数週間以内に「フロントエンジン」として発表がなされる予定です。
実際のところ、ローレンス・ストロール氏はヴァルハラ計画もキャンセルしたかったものの「(自身がアストンマーティンの経営権を取得した際に)そうできないところまでプロジェクトが進んでいた」ために発売する以外の選択肢がなかったとも語っており、そしてヴァルキリーについても「とんでもなくお金がかかったので、もう二度と同様のクルマを作らない」とコメントしています。
となるとヴァルハラも同様に「後継プロジェクトがない」1度きりのクルマになる可能性が高く、その意味では非常に希少なハイパーカーとなるのかもしれず、そして現在のアストンマーティンはその伝統でもある「フロントエンジン」を生かしたラインアップに特化する意向を示しているので、ミドシップカーそのものが今後同社から登場する可能性そのものが「非常に低い」のかもしれません(ローレンス・ストロール氏はミドシップを完全に否定したわけではない)。
動画を見ると、サイドウインドウは「スライド式」、そして大きくせり上がる格納式リアウイングを持つこともわかりますが、近年の「芸術性と美しさを重んじる」アストンマーティンがこのスライド式ウインドウを(市販時に)採用するかどうかは断定できず、よってここにはなんらかの調整が付与される可能性もありそうですね。
参考までに、ヴァルハラが最初にアナウンスされたのは2019年で、その頃は「900馬力のハイブリッドハイパーカー」と聞くと「スゴいスペックだな・・・」と感じたものの、その5年後の2024年では”ベイビーランボ”であるテメラリオがすでに同等のスペックを達成しており、時の流れとは残酷なものである、とも感じています(この数年でヴァルハラの優位性が大きく下がったことは間違いない)。
アストンマーティン・ヴァルハラがニュルブルクリンクを走行する動画はこちら
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参照:CarSpyMedia(YouTube)