| 価格は公表されていないが、おそらくはリトル・カー・カンパニー史上「最高価格」だろう |
乗用トイといえどもあまりにそのクオリティが高すぎた
フェラーリ、アストンマーティン、ブガッティなどと提携し、高品質な電動乗用トイを発売することで知られる「リトル・カー・カンパニー」。
ただしトイといえどもそのクオリティは完全に大人向け、しかもエンスージアストであっても納得のレベルを持っており、実際に車両価格も数百万円~1500万円くらいまでという超高額な製品群です。
そしてそのリトル・カー・カンパニーの最新作がベントレーとのコラボレーションによる「1929年型ブロワー・ベントレーを85%に縮小したブロワー・ジュニア」。
ベントレー・ブロワーはこんなクルマ
まず、このベントレー・ブロワーについて、1920年代終盤に4台のみが作られたクルマで、1930年のル・マン24時間レースにカーナンバー「8」と「9」として出場し、とくに9号車はコースレコードを記録するなど他を圧倒する走りを見せたことで知られます。
そしてベントレーが創業100周年を迎えた折、この「ブロワーの復刻モデル」を12台のみ生産すると発表したのは記憶に新しいところですね。
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「当時のブロワーの復刻」に際し、ベントレーは現存するブロワーをパーツ単位にまで分解し、それを3Dスキャンすることで新しく部品を製造していったといいますが、おそらくその際に取得したデータは今回の「ブロワー・ジュニア」にも生かされているのではないかと思われます。
ベントレー・ブロワー・ジュニアはこんなクルマ
そこで今回のベントレー・ブロワー「ジュニア」のほうを見てみると、これは上述の通り「85%」に縮小されてはいるものの、もう見た感じほとんどブロワーの実車と変わらないという印象。
ただ、縮小サイズにて制作する際には「横並び2シーター」から「タンデム2シーター」に変更するなどの調整が行われていて、しかhしそれらの変更も非常にうまく行われており、全く違和感がないといった感じ。
そして本物のブロワーと決定的に異なるのは「完全電気自動車(BEV)」ということ、そして公道走行が可能であること(オプション無しで公道が走行できるクルマはリトル・カー・カンパニーにとっても「初」である)。※米国、欧州連合、英国で走行できる
動力源は15kWhの出力を発生させるエレクトリックモーター、バッテリーは48ボルト(容量は10.8kWh、最高速は72km/h)。
ラジエターガイドにはニッケルメッキが施され、ちゃんとメッシュ構造を持つグリルをもつほか、何から何まで実車そっくり。
フレームも実車同様にスチール製、サスペンションにはリーフスプリングに(そのままスケールダウンされた)フリクションダンパー。
フロントにはブレンボ製ディスクブレーキ、リアにはドラムブレーキが装備されて”現代的な”制動力を発揮することになり、バッテリーとエレクトロニクスシステム(インバーターなど)はアンダートレイに隠されて、エレクトリックモーターはリアアクスル上へと搭載されています。
ダッシュボードは一見するとオリジナルの縮小レプリカのように見え、ヘッドライトやターンインジケーターなどのスイッチ類は、オリジナルのマグネット・スイッチを再現しているものの、しかし燃圧ポンプがドライブモードセレクターとして機能するほか、バッテリー充電計はオリジナルの電流計を再現し、かつUSB充電ソケットを有するなど、インテリアについても「現代的な」一面をうかがうことが可能です。
このほか「イマ風」の装備だと、ガーミン製衛星ナビゲーション、バックアップカメラの表示が可能なデュアルファンクションディスプレイも挙げられており、日常的なドライブにも対応します。
ちなみにもともとのベントレー・ブロワーはびっくりするくらい大きなクルマなので、85%にスケールダウンされたこの「ブロワー・ジュニア」でちょうどいいくらいの大きさかも。
画像を見るに、大人が乗っても全く問題はないサイズですね(同じリトル・カー・カンパニー製の、1950年代-1960年代くらいのレーシングカーだと85%にまで小さくするとかなりコンパクトになってしまう)。
ちなみにボディサイズは全長3.72メートル、全幅1.48メートル、全高1.27メートル、車体重量は550kg。
なお、リトル・カー・カンパニーは、ブロワー・ジュニア「ファースト・エディション」を99台のみ生産するといい、これらの車には、ボンネット、ドアシルプレート、ダッシュボードにファースト・エディションのバッジが付けられ、シリアルナンバーが刻印されることに。
さらに、すべてのファースト・エディション・モデルはブロワー・グリーンで仕上げられ、生産開始は2024年半ばから。
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