| BMW M5のエンジンは異常にパワーが出ている |
アメリカはイリノイ州のチューナー、INDディストリビューションが新型BMW M5をシャシーダイナモに乗せてテスト。
BMW M5は4.4リッターV8ツインターボエンジンを持ち、出力は公称値で600馬力。
トランスミッションは8速AT、4輪を駆動しスーパーカー顔負けのパフォーマンスを発揮するスーパーサルーンです。
シャシダイ上でも公称値を超える「625馬力」
そんなBMW M5ですが、シャシダイでの計測結果(パワーチェック)はなんと625馬力。
何だ公称値とあんまり変わらないじゃない、となりそうですが、メーカーの公称値は「駆動系を取り付けていない状態で、エンジン単体と補機類だけを取り付けた状態で計測」したもの。
そして、エンジンに駆動系を取り付けると(つまり走行可能な状態にすると)一般的にFF/MRだと10~15%、4WDでは20~25%ほどのロスが生じると言われ、シャシダイで計測するとメーカー公称値よりも低い馬力が数字として出てしまうのはこのため。
BMW M5は4WDなので20~25%ほど駆動ロスがあると考えると、600馬力の公称値から20~25%ほど差し引いて480馬力~450馬力が妥当ということになりますが、シャシダイに乗せての計測だと公称値の600馬力よりも高い出力を見せており、これは逆算すると「エンジン馬力で780~840馬力くらい」出ている、ということに。
なおINDのテストでは「5速ギアで、4WD状態(M5は後輪駆動化も可能)で、スポーツ・プラスモード」が一番出力が高かったとしています(それ以上のギアで数字が出ないのは、6速に入れるとスピードリミッターに当たってしまい「フケ切れない」ため)。
様々な状態でテストを行っていますが、燃費重視の「エフィシェンシー」モードに入れたとしてもパワーダウンは15馬力程度だとしており、M5は相当に強力な心臓を持っていると言えそう。
参考までに、これまでランボルギーニ・ウラカンRWDが580馬力のところ492馬力(580馬力に対して15%のロス)、マクラーレン720Sで698馬力(720馬力のエンジン出力に比べて3%のロス)、ホンダ・シビック・タイプRで295馬力(320馬力に対して8%のロス)、アルファロメオ・ジュリア・クワドリフォリオで392馬力(510馬力に対して23%のロス)といったところが報告されていますが、アルファロメオ・ジュリアの「駆動ロス」はFRということを考えるとけっこう大きな数字ですね。
アウディは以前に「公称値(速度について)は控えめに言っている」と述べていますが、こちらが実際にどれくらいのパワーが出ているのかは不明。
それでは動画を見てみよう
こちらがその”M5を様々な環境でテストしてみた”動画、「IND | F90 M5 First Baseline Dyno (Post-Break In)」。