| フィリピンでのマクラーレン620Rの価値は7130万円、うち税金は3630万円 |
フィリピンにて、世界限定350台のマクラーレン620Rの密輸が発覚。
これは現地の税関が公表したものですが、「ポルシェ・ケイマン」として申告を行い、マクラーレン620Rにかかる高額な税金を逃れようとした疑いが持たれています。
なお、マクラーレン620Rの現地での価値はなんと7130万円(3300万ペソ)で、この内含まれる税金は総額3630万円(1680万ペソ)だと報じられており、より価格の低いポルシェ・ケイマンだとして税関に虚偽申告することで、325万円(150万ペソ)の税金のみを支払うことで通関させようとしたようですね。
このマクラーレン620Rも「破壊」される運命に?
つまりは3630万円の税金を325万円に圧縮しようとしたことが「脱税」に該当するわけですが、フィリピンはこうした行為に対して厳しく対処することで知られ、過去に何度か、こういった脱税にて押収した高級車やスーパーカー、バイク等を「ブルドーザーで破壊」しています。
もちろん、この「ブルドーザーで破壊」という行為は見せしめであり、脱制したとしても必ず摘発され、なにもいいことはないと示すためではありますが、同時にドゥテルテ大統領率いる密輸撲滅チームは今回の密輸についても詳細を究明し税金を徴収する方向で動いている模様。
つまり、密輸を企んだ組織なり個人なりは「正当な税金=3630万円」を徴収された上でクルマまでも没収され破壊されるということになりそうですが、これは相当な痛手だといえます(犯罪なので弁解はできない)。
できれば破壊だけは勘弁して欲しい
あとをたたない密輸に対しては強硬手段を取る必要があることもわかるものの、クルマそのものには罪はなく、できればブルドーザーで潰すのは見送り、売却なりなんなりでクルマをお金に換え、そのお金で困っている人を助けたりして欲しいと思いますが、これまでの例から見るとやっぱり破壊されるという運命から逃れることはできないのかもしれません。
なお、メキシコ政府は過去に(犯罪者から)押収したクルマを競売にかけ、その収益金で「犯罪に苦しめられる」人々の救済を行ったことも。
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そのほか中国でも押収したクルマを売却したり、他の国では「押収したスーパーカーをパトカーに」した例もあるようです。
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マクラーレン620Rはこんなクルマ
なお、当のマクラーレン620Rですが、これは上述の通り、世界350台限定となるレアカー。
市販車をチューンしたというよりも、レーシングカーである「570GT4」をストリート向けとして合法に登録できるように調整したクルマだと考えたほうがしっくりくるほどで、出力はスポーツシリーズ最強の320馬力。
0-100km/h加速は2.9秒、最高速は322km/hだとアナウンスされています。
トランスミッションやブレーキシステム、サスペンションも「レーシングカーに近い」と言われていますね。
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