| マクラーレンは「徐々に変化」してゆくようだ |
さて、マクラーレンは「新型ハイブリッドスポーツ」のティーザー画像を公開していますが、今回はカーメディア、Automobileによってマクラーレンが出願したパテント画像が公に(中国の機関へと届け出られたもののようだ)。
この新型ハイブリッドスポーツについて、現行540や570系(つまりスポーツシリーズ)との入れ替えとなるのか、それとも追加となるのかは明かされておらず、ちょっと前までは「入れ替え」説が有力であったもの、最近ではそういった話も聞かなくなったように思います。
現在のマクラーレンにとってスポーツシリーズ各モデルとの入れ替えはリスクが大きい
ただ、冷静に考えると、この新型ハイブリッドスポーツの価格につき、現行スポーツシリーズに比較して「(V6エンジン搭載といえど)ハイブリッド分だけ高くなる」ことは容易に想像可能。
マクラーレン540C/570系はそのコストパフォーマンスの高さで人気を獲得してきたシリーズとも言えるので、ここで価格帯を上げてしまうと一気に客離れが生じる可能性もありそうです(マクラーレン570Sが発売されたとき、相当数の顧客がポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリから流出するという”マクラーレンショック”が起きた)。
そして現在はまだハイブリッドスポーツ自体の市場が確立されておらず、ハイブリッドスポーツに手を出しにくいという事情もあり、それらを鑑みるに、”スポーツシリーズとの入れ替え”を行うにはリスクが高すぎるのかもしれません。
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そのルックスは「LT+GT」?
今回公開されたパテント画像を見るにつけ、「思ったより(540/570系と)変わってないな」というのが正直な印象。
細部を見るとたしかに新しくなっているものの、全体的なバランス、ヘッドライトやエアインテークなどの位置関係にほぼ変化がないことがそう感じさせる理由なのかもしれません。
細部については「GT」そして「600LT」にて採用された意匠が取り込まれており(765LTっぽさも見られる)、まさに「最新」のデザインを持つということになりますね。
これを見るに、マクラーレンはなにかをドラスティックに変えるよりも、ベースに対して常に改良されたパッケージを反映させてゆくという考え方を持っているようで、これはまさにレーシングカーコンストラクターならではの手法だといえそう。
パテント画像からは「ハイブリッド」を感じさせる部分はなく、つまりそれだけハイブリッドシステムがコンパクトなのでしょうね。
なお、フェラーリSF90ストラダーレはリアセクション形状がほかのV8モデルと大きく異なり、そこに「なんらかのデバイスが入っているであろう」ことを感じさせます。
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プロトタイプはこういった状態
そして最近になって頻繁に目撃されているプロトタイプがこちら。
パテント画像とほぼ変わりはなく、テストもほぼ終了といった段階にあるのかもしれません。
Cピラーの形状、そしてデイタイムランニングランプの発行グラフィックが新型ハイブリッドの「大きな特徴」となりそうですね。
参照:Automobile, Motor1