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マクラーレンはSUVを発売する前にまず「黒字化」「経営の安定化」を優先するもよう。よってSUVの発売はそれらを達成したのち、早くても2028年に

2023/07/20

マクラーレン

| マクラーレンがSUVを発売せずに現状を乗り切ることができるのかはわからない |

しかしマクラーレンが「そう決めた」からには何らかの秘策があるものと思われる

さて、マクラーレンは現在「非常に厳しい」時を過ごしており、というのもアルトゥーラの生産開始が4度も延期され、消費者が求める品質を確保するために日夜奔走していると報じられるためですが、当然ながら「アルトゥーラの納車」によって得られるはずであったお金も入ってこず、あまつさえ度重なる生産遅延によって多くの受注キャンセルが生じていると言われます。

参考までに、マクラーレンはコロナウイルスのパンデミック以降”急激に”業績が悪化し、本社を譲渡したばかりか、そこへ所蔵していた過去のレーシングカー、そしてF1マシン含むヘリテージ・コレクションについても売却する必要が生じています(残った車両も抵当に入っていると言われる)。

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マクラーレンのSUVは「2028年まで登場しない」

そして今回報じられているのがマクラーレンの新CEO、マイケル・ライターズ氏は「(フェラーリ・プロサングエやランボルギーニ・ウルス、ポルシェ・カイエンのライバルとなるような)SUVを発売するまでには長い道のりがある」と語っていること。

同氏いわく、現在のマクラーレンにとって最優先すべき課題は「会社を黒字への正しい道へと導き、財政的に安定させる」というもので、その達成のためには2つのミッションがあり、これらはいずれも「SUVの発売に優先されること」だと述べています。

マクラーレン

では、首尾よくそのミッションを遂行してマクラーレンのSUVが登場するのがいつかといえば、マイケル・ライターズCEOいわく「資本増強と黒字化、それに(新車の)開発期間を考慮すると、2028年までは無理でしょうね」。

なお、マクラーレンは「2ドア、2シート」よりも多いドアやシートを持つクルマについて"シェアード・パフォーマンス "と呼んでいることも明かしており、つまりは4枚ドア/4シーターのセダン、5ドア/4-7人乗りのSUVもそこに含まれると考えられ、しかしこれについては上述の通り2028年まで対応することができず、「それは(黒字化の)後で考えることで、私たちはそれを決定したわけではありません。ただし我々にとってビジネスチャンスであることは間違いないでしょう」とも。

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てっきりマクラーレンのSUVは最優先事項だと考えていたが

参考までに、マイケル・ライターズ氏はポルシェでカイエンを、フェラーリではプロサングエを開発した人物であり、つまり「スポーツカーメーカーがSUVを開発しようとするならば」なくてはならない人物です。

そういった人物をCEOに据えたからには、てっきりマクラーレンは「SUVを最優先で開発する」と考えていたものの、実際には「他に優先事項があり、SUVが登場するにしても2028年以降」。

マクラーレン・アルトゥーラ

マクラーレン
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そしてここで疑問に思うのは、マクラーレンは「一体どうやって黒字化を達成するのか」ということですが、750Sやそのハードコアモデル、そしてなんとか発売にこぎつけるであろうアルトゥーラとそのオープン版含むバリエーション展開しかないように思われ、正直これらでは現在の窮状を脱するには不十分かもしれません。

もちろんハイパーカーの発売も考えられるものの、マクラーレンは短期間で多数のハイパーカーを投入したために「飽和」しつつあり、かつ同じ「カーボンモノセルとV8エンジン」を使用する限りでは新しい購入者を呼び込むことが難しいものと思われます。

なお、ピュアエレクトリックスポーツカーに関しては、本当にエキサイティングなアイデア をいくつか持っているものの、「"重量的に750Sに匹敵するものでなければ、そしてガソリン車を超えるものでなければやらないだろう」と述べ、こちらもまた登場はとうぶん先ということになりそうです。

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参照:Autocar

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