| マクラーレンがSUVを発売したとしても、もはや誰も文句を言うものはいないだろう |
フェラーリ、ランボルギーニ、アストンマーティンの例を見ても、SUVが会社を潤すのは明らかである
さて、経営のための資金不足に陥っていると言われるマクラーレンですが、今回既存株主から7000万ポンド(約113億円)の資金を調達したと発表しています。
これは5億ポンドの確保を目的とした資金調達ラウンドの一環によって得られたものですが、目標とする5億ポンドにはまだまだ遠く、マクラーレンとしてはさらなる投資家の援助が必要という状況には変わりがないのかもしれません。
マクラーレンはコロナ禍以降に急速に業績が悪化
なお、マクラーレンはコロナウイルスのパンデミック以降急速に業績が悪化してしまい、2021年4月にはなんと本社を売却せざるを得なくなり、現在はその売却先から(売却した)本社を借り受けているという状況です。
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加えて、マクラーレン・アプライドなどいくつかの子会社を売却としたとも報じられており・・・。
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さらに昨年末には1億ポンド(約165億円)に相当するマクラーレンのヘリテージ・コレクションを、バーレーンのマムタラカット・ホールディング(Mumtalakat Holding Company)へと売却しているものの、まだまだお金が足りないというのが現在の状態かと思われます。※マムタラカット・ホールディングは政府系の投資ファンドであり、マクラーレン最大の株主でもある
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それでもマクラーレンは前に進む
ただ、資金難だからといって何もせずにいれば「さらに苦しい」状況を招いてしまうのが世の常であり、マクラーレンはこういった状況だからこそ前進することをためらわず、今回は新しく迎えた3名の重要人物についてもコメントしており、まず一人目はチャールズ・サンダーソン氏。
同氏はもともとマクラーレンに在籍していたそうですが、プラットフォーム・チーフ・エンジニアとしてリビアンで活躍した後、今回最高技術責任者としてマクラーレンに戻ったという経歴を持っています。
そして2人目は、ゼネラルモーターズ、MANトラック、オートリブ、ウェイレイAGにて経験を積んだヨルグ・レーザー氏で、今回最高調達責任者というポジションに就く、とのこと。
最後はエマヌエーレ・ラベグリア氏で、同士は昨年4月に就任したマクラーレン新CEOのマイケル・ライターズ氏と同じく、フェラーリからの移籍組。
マイケル・ライターズ氏と同じくプロサングエの開発を監督してきた人物でもあり、さらにはF8トリブート、488ピスタのビークルラインディレクターを務めというので、スーパーカーとSUV両方に関しての独自の見識を持つものと考えられます。
今回の人事を見るに、まずひとつはマクラーレンがピュアエレクトリックカーの開発に注力するであろうことが推測され、そしてもうひとつはやはりSUVの発売に向けてさらに駒を進めるであろうこと。
現CEOであるマイケル・ライターズ氏は、フェラーリ・プロサングエのほかにもポルシェ・カイエン(初代)の開発に関わった人物であり、同氏が過去のつてをたどってエマヌエーレ・ラベグリア氏を呼び寄せたのだとすると、これはもう「SUV開発のため」以外はないのかもしれません。
実際のところ、マクラーレンは「SUV」「サルーン」の投入についても言及しており、そしてこれらの投入がもっとも有力な「回復への近道」であることを考慮すると、マクラーレンが獲得した資金をここへ投入することは想像に難くなく(この資金がマクラーレン・レーシングに使用されないことには言及されている)、今後のさらなる状況報告には期待したいところですね。
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参照:Sky News