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マクラーレンCEO「2030年まで、我々が電動スーパーカーを作ることはないでしょう。なぜなら今のバッテリー重量ではドライバーとの良好な関係性を保てない」

2023/10/07

マクラーレン

| マクラーレンはほかのイギリスの自動車メーカーとは完全に異なり、電動化を急がないということに |

新CEOのもと、マクラーレンはそのスタンスを独自路線へと大きくシフト

マクラーレンのマイケル・ライターズCEOがメディアに語ったところによれば、「すぐにピュアエレクトリックスーパーカーに手を出すことはない。バッテリー技術が進歩し、車両質量を現在のガソリンエンジン搭載スーパーカーとほぼ同じようにできるまで待つ」とのこと。

そして同氏は「マクラーレンの要望を満たすバッテリーは2030年まで完成しないであろう」ともコメントしています。

マクラーレンはその方向性を大きく転換

マクラーレンは2022年春にCEOがマイク・フルーイット氏から現在のマイケル・ライターズ氏へと交代していますが、これはつまるところ「業績不振の責任を取らされ、前CEOが辞任した」と見られています。

事実、マイク・フルーイットは「ノーSUV」路線を貫き、スーパースポーツのみで構成されるポートフォリオを推進していたものの、この計画が破綻してしまい、結果的にマクラーレンは本社を失うまでに業績が悪化。

そして新CEOとして白羽の矢が立ったのがマイケル・ライターズ氏で、同氏はポルシェではカイエン、フェラーリではプロサングエの開発を主導した人物です。

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つまりマクラーレンの株主たちは、マイケル・ライターズ氏を起用することで、ポルシェやランボルギーニ、アストンマーティンなどと同様に、SUVの発売によって資金を集める戦略を期待しているのだと思われますが、ここで重要なのが、マイケル・ライターズ氏が「技術畑の出身」である、ということ。

つまりはエンジニアリング面に精通しているCEOというわけですが、実際にアルトゥーラの品質に関しても強い「ダメ出し」を行った事実が知られています。

マクラーレン・アルトゥーラ
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その後は「750S」を発表して現状をしのぎつつSUVの開発を行っているのが現在の状況だと思われますが、それと同時に開発が進められているのが「ピュアエレクトリックスーパーカー(もしくはハイパーカー)」だと思われます。

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マクラーレンはSUVを発売する前にまず「黒字化」「経営の安定化」を優先するもよう。よってSUVの発売はそれらを達成したのち、早くても2028年に

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ただ、同氏の経験や技術者としての視点から見ると「まだまだバッテリー性能が不十分である」ということになり、それが同氏の発言に繋がっているのかもしれません。

「重量は非常に重要で、適切な航続距離も必要です。この技術が10年以内に本物のスーパーカーに使えるようになるとは思っていません。

マクラーレンは軽さを重視

マイケル・ライターズCEOは(ピュアエレクトリックハイパーカーである)リマック・ネヴェーラの性能については認めつつも、改めて「現在利用可能なバッテリー技術を使うと重量が重くなり、現在マクラーレンが発売しているガソリンエンジン搭載スーパーカーのように”ドライバーと機敏につながる”ことができない」ということに言及。

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そしてマクラーレンに取って重要なのは数字としての出力や加速性能ではなく「ドライバーとの関係性」であるとし、その良好な関係性を築くことができないクルマを作ることには興味がない、とまで述べています。

2,000馬力、しかし重量が2トンもある電気自動車は作りたくないのです。我々が待っているのば総重量1,500kg程度に車体重量を収めることができるバッテリー技術です。

マクラーレンCEO「2,000馬力、重量2,000kgの電動ハイパーカーはどこでも作れます。だがそれは我々のDNAではない。目標は750Sと同等の重量のEVです」
マクラーレンCEO「2,000馬力、重量2,000kgの電動ハイパーカーはどこでも作れます。だがそれは我々のDNAではない。目標は750Sと同等の重量のEVです」

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たしかにこの「重量」は非常に重要であり、2,000馬力を誇るネヴェーラが加速など様々な分野で記録を樹立しながらもニュルブルクリンクのラップタイムで「7分切り」を実現できなかったのもひとえに「重量(約2,300kg)」に起因するものと思われます。

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よって現在のマクラーレンは「様々な可能性を模索しつつも」ピュアエレクトリックカーの優先順位を下げることになるものと思われ、(今のところ)トッププライオリティとしてはSUV、そしてその次にハイパーカー、さらにハイブリッドスーパーカーにサルーン、最後にピュアエレクトリックスーパーカーという並びとなるのかもしれませんね。

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参照:Bloomberg

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