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ブガッティが「2012年に発売され、世界最速のオープンモデル」となったヴェイロン16.4 グランスポーツ・ヴィテスを振り返る!補強箇所やその手法についても解説

2022/08/13

ブガッティが「2012年に発売され、世界最速のオープンモデル」となったヴェイロン16.4 グランスポーツ・ヴィテスを振り返る!補強箇所やその手法についても解説

| ブガッティはシロンにおいてオープンモデルを設定しておらず、しかし超焦慮生産モデルとしてロードスターを発売するという噂も |

シロン後継モデルではオープンモデルの復活を期待したい

さて、ブガッティが2012年に発売されたヴェイロン16.4 グランスポーツ・ヴィテスを改めて紹介するコンテンツを公開。

発売10周年ということもありますが、当時「オープンモデル最速」となる最高速度408.84km/hという記録を樹立したことを改めて振り返っており、いかにそれが革新的であったのかについて触れています。※2016年にはヘネシー・ヴェノムGTスパイダーが427.5km/hという記録にてこれを上書きしている

ちなみにヴェイロンの後継モデルたるシロンにオープントップは存在せず、その観点からもヴェイロン16.4 グランスポーツ・ヴィテスは非常に重要なモデルである、と言えるかもしれません。

ブガッティはヴェイロン16.4 グランスポーツ・ヴィテスについてこう語る

ブガッティ・オトモビルのクリストフ・ピオションCEOによれば、このオープントップバージョンの企画は「ヴェイロン16.4スーパースポーツ(クーペ)にて1200PSのW16エンジンを世界に知らしめた後、顧客から同じように想像を絶する高出力を誇るオープントップ・バージョンを要望されたことから始まった」と振り返っており、そこでエンジニアたちは数カ月をかけてヴェイロン16.4グランスポーツ・ヴィテッセを開発することになった、とのこと。

最大の課題は「十分な走行安定性を確保すること」、「従来型ヴェイロン16.4グランドスポーツの横転防止装置と取り外し可能なルーフを再定義すること」。

これら課題の解決に際しては、ヴェイロンの持つ非常に特殊な構造設計をさらに強化する必要があったといい、そのために軽量なポリカーボネート製の取り外し可能なルーフモジュールが作られ、(手動操作とはなりますが)オープントップでの走行が可能となっています。

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クーペの場合だと、ルーフはモノコックフレームの一部であり、クルマの剛性および安定性に貢献することになりますが、オープン化に際しては必要な剛性と安全基準を達成するため、計算された荷重経路に沿って22,000Nmという極めて高いねじれ剛性を持つ補強材を追加しなければならなかった、とのこと。

加えて、モノコック構造によるキャビンには、ボディ剛性と軽量化の最適な組み合わせが要求されることになり、ルーフを取り外した際にも高い剛性と側面衝突・横転時の安全性を確保するとなると、やはり荷重経路を再設定する必要が出てきます(クーペとオープンでは、衝突時の衝撃の伝わり方、逃げ方が異なるため)。

そのため、モノコックはサイドスカートとトランスミッショントンネルを中心に補強され、Bピラーはカーボンファイバー製サポートによって横方向の剛性が強化されていますが、トランスミッショントンネルの下には中央にカーボンプレートを配置し、他のどのロードスターよりもねじれにくい構造になっているようですね。

さらに、ヴェイロン 16.4 グランスポーツ ヴィテスのサイドドアはカーボンファイバー製となりますが、事故時にはAピラーからBピラーに荷重を受け渡し、衝撃力を軽減するピン付きの一体型縦支持を実装しているのだそう。

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ブガッティはいかにして199馬力もの出力向上を果たしたのか

なお、ヴェイロンは1,001馬力という驚愕のスペックにて登場し、2008年にはオープンモデルであるヴェイロン16.4グランスポーツが登場。

その後に発表されたのが1,200馬力を誇るオープンモデル、ヴェイロン16.4グランスポーツ・ヴィテス(ヴィテスとはフランス語で「速度」の意味)となりますが、199馬力の出力向上は新しいターボチャージャーとインタークーラーによってなされているといい、そのためエアインテーク形状もよりワイドになり、エアインテークの真下には新しいフロントスポイラーが設置されることに。

そのほかにはダブルディフューザー、センターツインパイプエキゾーストシステム、ルーフエッジスポイラーが組み合わされ、とくにリアから見た際にはは非常に印象的なデザインが与えられていますが、オープンモデルの場合、(クーペとは異なって)そのボディ表皮はすべてカーボンファイバーにて作られているといい、これによって「ヴィジブルカーボン(カーボンファイバーの織り目が見える)」の設定が可能になった、とのこと。

加えて、ヴェイロン16.4グランスポーツ・ヴィテスではエンジンカバー両脇のエアスクープにロールオーバープロテクションを内蔵させるなど、できるだけ外観をエレガントにまとめるための工夫がなされているようですね。

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さらにブガッティは「1200馬力に対応するため」7速デュアルクラッチトランスミッション(DSG)のギアリングを含め、すべてのパワートレイン・コンポーネントを強化しており、燃料システムは4ポンプタンクへと変更され、ESP、タイヤ、ブレーキ等の足回り・制御系を再チューニングし、ロールやピッチをほとんど感じさせないレベルにまで抑えこんでいるようですね。

ルーフを閉じた状態では、先代モデルである1,001PSのヴェイロン16.4グランスポーツの最高速は407km/hとなり、しかし1,200PSを発揮するヴェイロン16.4グランスポーツ・ヴィテスの最高速は410km/hへと向上していて、ルーフを外した状態ではヴェイロン16.4グランスポーツの最高速は360km/h、ヴェイロン16.4グランスポーツ・ヴィテスでは375km/h。

おそらくルーフを開け放った状態でこの速度に挑戦する人がいるとは思えませんが、仮にこの速度を出したとしても、ルーフエッジスポイラーとウィンドディフレクターにより車内騒音と乱流は最小限に抑えられているといい、200km/hを超えても会話はできるレベルだとも。

このほかインテリアではカーボン、アルミニウム、マグネシウムに加え、細かいバックステッチを施した耐湿性のある特殊なレザーを採用していますが、このようなラグジュアリーな仕様について、一部ハイパーカーでは「ヘッドセットがないと隣の人と会話ができない」ほど車内がノイズで満たされるのとは対象的であり、”いかなる状況、速度域でも失われない”快適性こそがブガッティのブガッティたる所以なのかもしれません。

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なお、ヴェイロン16.4 グランスポーツ ヴィテスはヴェイロンシリーズの最後のモデルとなり、とくに2013年モデルはレジェンデ・ドゥ・ブガッティ(Les Légendes de Bugatti)シリーズの一部として製作されており、これはジャン・ピエール・ウィミーユ、ジャン・ブガッティ、メオ・コスタンティーニ、レンブラント・ブガッティ、ブラック・ベス、エットーレ・ブガッティといったブガッティ史に残る6人を称えるとともに、ブガッティ独自の創造性とクラフトマンシップを表現したもの。

よってヴェイロン16.4 グランスポーツ ヴィテスのレジェンデ・ドゥ・ブガッティ版において、デザイナーはこれまでにない仕上げ方法と素材を使用したといい、3台ずつ限定生産されたモデルは当然のごとく一瞬で完売となり、今でも高い価値を誇ります。

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参照:Bugatti

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