| 1台だけが実際に製造され走行する |
アウディがレースゲーム「グランツーリスモ」15周年を記念し、「アウディe-tronヴィジョン・グランツーリスモ(Audi e-Tron Vision Gran Turismo)」を公開。
と、ここまではホンダやマクラーレンと同じではありますが、アウディはなんと実車を1台のみレーシングプロトタイプとして作成する、と発表しています。
Audi e-Tron Vision Gran Turismoの構造としては「3モーター」となり、ひとつはフロントホイール、2つはリアホイールを駆動。
フォルクスワーゲン・アウディグループはレーシングシーンにおいてEVアピール
それぞれのモーターは272馬力を発生し、3つあわせて816馬力。
重量は1450キロ、0-100キロ加速はなんと2.5秒、と公表されています。
なお重量配分は前後50:50とのこと。
デザインイメージはアウディ90クワトロIMSA GT(Audi 90 Quattro IMSA GTO / 1989)で、これはワルター・ロール(ヴァルター・レアル)氏のドライブでも有名。
↓こちらがそのAudi 90 Quattro IMSA GTO
なお、実車のアウディe-tronヴィジョン・グランツーリスモはフォーミュラE各レースや、今年に開催される様々なイベントで「レーシングタクシー」として使用される予定で、DTMドライバーやル・マンのチャンピオンドライバーによって運転される、とのこと。
フォルクスワーゲンは少し前にパイクスピーク参戦用のレーシングEV、「I.D.R.」を公開していますが、今回のアウディe-tronヴィジョン・グランツーリスモはI.D.R.と共通する部分があるのかもしれませんね(そのほうがコストを安く、かつ高い信頼性で作れる)。※I.D.R.のスペックは明かされていない
EVレーサーが実際に走行、しかも「タクシー」として一般人を乗せて走るというのは極めて異例で、しかしグループあげてEV化を進め、ポルシェとともにフォーミュラEに参加するアウディにとっては格好のプロモーションとなりそう。
なおフォーミュラEは欧州拠点でのカテゴリですが、フォルクスワーゲンの参加するパイクスピークはアメリカ拠点のレースイベントとなり、つまりフォルクスワーゲン・アウディグループは「世界的に」EVの性能をアピールする計画を進めていると考えて良く、これはメルセデス・ベンツ、BMWとはやや異なる動きだと言えます。
なお、「グループ」というところでは、アウディがかねてより採用してきた「ホワイト、グレー、ブラック、レッド」というレーシングカーにおけるカラーリングは近年のポルシェ製レーシングカーに採用されるカラーと同じ(ポルシェのレーシング部門はこれをイメージカラーだと定義している)。
これは単なる偶然とは思えず、おそらくは(グループ内でのイメージ統一のため)ポルシェがアウディに「合わせた」のではないか、と考えています。