| iブランド自体はまだまだ継続 |
先日「BMW i8が2020年で生産終了」という内容をお伝えしましたが、i8と同時に華々しく発表されたi3のほうは2024年まで製造される、とのこと。
これはBMWの新しいCEO、オリバー・ツィプセ氏がメディアに語った内容だとされ、BMWのスポークスマンの言も含めると、2024年までは(バッテリー含む)いくつかのアップデートを受けながら販売が継続されるだろう、と述べています。
なお、iブランドおよびi3とi8ほどその運命がなんども急変するクルマは珍しく、そもそもはi3が思うように売れなかったことからiブランドは方向性の転換を迫られ(当初、i8は予想よりも売れていた)、一時はエレクトリックブランドから「コネクティビティと自動運転を追求する」という方向へと転換を考えたことも。
その後はBMWブランドにiブランドを組み込むことが考慮され、現在はiブランドの方向性が「どっちつかず」。
i4そしてiNextの発売も控えていますが、iブランドそのもののプレゼンスは大きく下がってしまったように思います。
なぜi3は成功しなかったのか
なお、i3が成功しなかったことについては「その価格の高さ」が挙げられ、ほかメーカーのEVが比較的コストを抑えてEVを発売してきたのに対し、BMWはi3にコストをかけすぎてしまい、結果として割高なクルマになってしまったため。
ただ、クルマとしての完成度や魅力は非常に高いとは考えていて、しかしそれが「市場に伝わらなかった」「そこに価値を見出す人が少なかった」というのが正確な表現かもしれません。
そして上述の通りi4そしてiNextが発表を控えている状態ですが、これについてはi3やi8ほど「突き抜けた」クルマではなく、つまりサステイナブルを強調するあまりカーボン製シャシーを使用したりすることはないと思われ、「一般的なEV」の範疇にとどまりそう。
これはBMWがi3とi8の販売を通じて学んだ教訓だと思われ、「お金のかけどころ」を変えてきたということになりそうです。
現在、EVの価格や性能はこうなっている
下はBMW i3含む各社発売もしくは発表済みのEVの性能や価格の比較。
これを見てもi3はかなり割高といえ、走行距離や価格についても「ほぼ優位性を持たない」ことがわかります。
なお、BMW i3は当初から「価格が高くなる」ことは織り込み済みで、しかしその価格の高さを正当化できるような「環境への優しさ(リサイクル可能な素材、リサイクル素材の使用、製造工場のエコさなど)」を持たせることで環境意識の高い富裕層へと売り込む予定だったものの、意外と富裕層はそこにお金を払わなかったということですね。※それでもi3のバッテリー性能はデビュー時に比較して倍になったとされる
BMW i3のバッテリー容量が増加し、デビュー時に比較して「倍の走行距離」に。新オプションも登場
車名 | バッテリー容量 | 走行可能距離 | 価格 |
日産リーフ | 40kWh | 322km | 324万円 |
日産リーフe+ | 62kWh | 458km | 416万円 |
ホンダe | 35.5kWh | 220km | 邦貨換算350万円 |
VW ID.3 | 45kWh | 330km | 邦貨換算340万円 |
BMW i3 | 42.4kWh | 360km | 543万円 |
ミニクーパーS E | 32.6kWh | 183km | 邦貨換算335万円 |
マツダMX-30 | 35.5kWh? | ? | ? |
テスラ・モデル3 (スタンダードレンジ・プラス) | 54kWh | 409km | 511万円 |
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VIA:BMW Blog