| 物理的には難しくないとは思われ、しかし1200万円になったスープラはきっと売れないだろう |
さて、ニュルブルクリンクにて、激しく責めるトヨタGRスープラの姿が目撃に。
現時点ではGRスープラに対して具体的な「追加バリエーション」の話はなく、よってプロトタイプの走行についてはまったくの謎の行動。
ただ、新型トヨタのチーフエンジニア、多田哲哉氏によると「GRスープラは毎年改良を行う」としており、今回の車両がなんらかの改良を盛り込んだプロトタイプであるとも考えられます。
トヨタはなんとしてもスポーツカーを盛り上げたい
実際のところ発売後間もなくパワーアップを行うなど改良に意欲を見せているのが現在のトヨタであり、その意図としては「スポーツカーを盛り上げたい」というものがあるのだと思われます。
トヨタはGRブランドを通じ、この「GRスープラ」、そしてGRヤリス、さらにはGR010(GRスーパースポーツ)をリリース済みもしくはリリース予定となっていますが、豊田章男社長も自らレーシングカーのステアリングホイールを握ってレースに参戦するなど全社あげて「モータースポーツ重視」の雰囲気も。
そして、トヨタにおけるスポーツカーセグメント、そしてモータースポーツイメージを実質的に牽引するのがGRスープラであるとも考えられ、トヨタとしてはなんとしてもGRスープラそのものを前面に押し出し、さらには世界のスポーツカーの中においてプレゼンスを高めてゆきたい、と考えているのでしょうね。
GRスープラにM3/M4のエンジン?
そこで出てきたのが「GRスープラにBMW M3/M4のエンジン搭載」説。
GRスープラは御存知の通りBMWとの共同開発であり、6気筒エンジンについては「B58」を搭載しています。
そしてBMWは「Mモデル専用」としてS58エンジンを持ちますが、形式に共通性があることでわかるとおり、B58搭載車にS58を積むことは比較的簡単で、よってGRスープラにM3/M4に積まれるS58エンジンを積むことも物理的には難しくないわけですね。
実際、過去にBMWが有するM部門の施設にてGRスープラが目撃された事例もあり、M部門を管理するマーカス・フラッシュ氏も「今までM専用エンジンをBMW車以外に搭載したことはないが(マクラレーンF1は唯一の例外)、GRスープラにMエンジンを積む可能性はゼロではない」とも。
これが実現した場合、当然ながら出力は「500馬力オーバー」になるかと思われ、価格についてもM3/M4級となるのは間違いなく、以前にベストカーは「1200万円くらいになる」と見積もっています(この見積もりは正確だと思う)。
GRスープラにMエンジンが搭載され、そのパフォーマンスについて世界トップクラスにまで上り詰めるのは嬉しい限りではあるものの、その価格が1200万円にまで上がってしまうのは「ちょっと困りもの」で、もちろん自分で購入するわけではないにせよ、この価格では「ちょっと売れないだろう(ふつう、この価格だとポルシェ911を買う)」という不安も。
スープラのパフォーマンス向上を歓迎する一方、この”ハイパワーで高価なGRスープラ”には失敗作になってほしくないという複雑な気持ちも抱いていて、なんとも微妙なところです。