| BMWの「炎上商法」にも似たやり方は嫌いじゃない |
それにしても、ここまでデザイン的に思いきれるのがまたスゴい(BMWの重役には恐れ入る)
さて、BMWはまだフルモデルチェンジ版となる新型M2を発表していないものの、今回その新型M2に「(オプションの)Mパフォーマンスパーツ」を装着した試作車が目撃されることに。
この画像は信号待ちをしているM2を撮影したものだそうですが、大きくボディが拡大され、そのぶんリアタイヤが外に押し出されていることがわかります。
そしておそらくではありますが、この「4連テールパイプにリアウイング」はMパフォーマンスパーツによるオプションだと思われ、実際にこのテールパイプ含むエキゾーストシステムはM4用としても設定がなされていますね。
ただしこのM2に装着されたリアウイング形状、そして「高さ」についてはこれまでBMWがオプション設定したいずれのエアロパーツにも例が見られないもので、そうとうにアグレッシブな印象を与えている、と思います。
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M2は非常に独特のデザインを持つ?
なお、これまでのスパイフォト、そして今回のインスタグラムへの投稿を見ても、新型M2はかなり独特なデザインを持っており、つまり「M4の縮小版」ではないもよう。
もともとのベースとなる2シリーズ・クーペ自体が個性的なデザインを持っていて(BMWの”2”は特別な存在らしい)、こちらは横から見たときに「ハの字」に見えるデザインを採用しており、これはおそらく「比較的コンパクトなクルマなので、安定感を出すようにした」ためだと思われますが、今回投稿のあった試作車のリアバンパー下部を見てもやっぱり「ハの字」。
加えて以前にリークされた「M2のフロントバンパー」のように四角いデザインも組み合わせられていることがわかり、要は「とんでもなくガンダム的」なクルマになるんじゃないかと予想しています。
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BMWのデザイン戦略は「正しかった」
ちなみにですが、こういった装飾的なデザインについては(ネット上で)否定派のほうが多く見られ、感覚値としては80%くらいが新型M2に対して「ネガティブな意見」を持っているように見えますが、なかには「Mというと昔はモータースポーツを意味していたが、最近のMはマーケティングのMをあらわしているようだ」という声も。
実際のところ、BMWがデザインに力を入れたり、個性を強調するのはマーケティング上の理由だと思われ、しかしこの戦略が当たっているのも事実であり、北米市場においてはBMWが現実的にメルセデス・ベンツの販売を逆転しているわけですね。
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そしてBMW自身、キドニーグリルの巨大化については「万人受けしないのは承知の上だ。ただ20%の人だけが気に入ってくれればそれでいい」とも語っているので、当たり障りのないデザインで「その他大勢」となり、そこで無意味な競争にさらされるよりは、「ほとんどの人に嫌われたとしても、ちょっとの人が強烈なファンになってくれればいい」と考えているのだと思われ、そしてこの戦略が「正しかった」ということが数字によって証明されています(自らガラパゴス化を選んだと言える)。
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そして「20%の人がファンになる」というのは非常に重要で、というのもファンは気に入ったブランドの製品に対して喜んでお金を支払ってくれることになり、個性的であればあるほど、新車価格が高くともそのプライシングを許容してくれますし、さらには個性を伸長させるためのオプションパーツにも投資してくれるわけですね。
そして80%の人々が騒げば騒ぐほどBMWの話題も広く拡散することになるわけですが、これは「炎上商法」にも似ているかもしれず、かくして現在のBMWは非常に儲かる会社になったと言われ、そのレベルはアルファロメオが「BMWを目指す」と公言しているほど。
マリア・テレサは「好きの反対は嫌いではなく”無関心”である」という言葉を残していますが、実際のところ周囲に無関心でいられるほど(商業的に)恐ろしいことはなく、嫌われるくらい話題になるほうがずっといいのでしょうね(ぼく自身、中庸を嫌うので、BMWの方針については支持したい。買うかどうかは別問題だけど)。
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参照:wilcoblok