| ウワサされた4WD版のM2は現段階では投入されず |
しかしこれからハイパフォーマンスモデル、限定モデルの発売が控えているものと思われる
さて、BMWが「最後のガソリンエンジンのみにて走行するMモデル」「最後のマニュアル・トランスミッション搭載Mモデル」である新型M2を発表。
460馬力を発生する3リッター6気筒ターボエンジンを搭載し、(今のところ)駆動輪は後輪のみ、そしてトランスミッションは6速マニュアルもしくは8速オートマチック(ZF製)という仕様です。
なお、X2しかり、BMWは「2」という数字を持つクルマには他と異なるデザインを与える傾向があり(それはアウディでも同じようだ)、その文法に従って(ベースとなる2シリーズクーペともども)やや特異なデザインを持っているようで、印象としては「スマート」よりも「マッスル(それもガチムチの)」といった感じですね。
新型BMW M2の外観はこうなっている
そこでまずは新型BMW M2の外観から見てゆきたいと思いますが、フロントにはフレームレスのワイドキドニーが装着されており、そしてやや角が丸められています。
グリルの中は最近のMモデルの例に倣い、太めの水平バー(ブラック仕上げ)が装着され、その下のロワーグリルはセンター、サイドともにガバっと口を開けることに。
なお、ヘッドライトの中央側下部にはダミーグリルのようなパーツも。
リアは一層特異さを増しており、サイドとリアは「面」構成が分かれ、さらにアンダー部に大きなボリュームがもたらされることに。
リフレクター周辺やリヤディフューザーを見ると「直線」が強調されており、ここもほかのBMWそしてMモデルとはやや異なるところですね。
一方テールパイプは「丸(太い)」を採用しており、円、そして直線両方が引き立つようにも見えます。
前後フェンダーは大きく拡大され、ボディサイズは全長4,580ミリ、全幅1,887ミリ、全高1,402ミリへ。
これは2シリーズクーペに比較して50ミリ広く、先代M2に比較しても33ミリ広い数字です(全長は先代M2比で104ミリ長く、全高は8ミリ低くなっている)。
ホイールサイズはM3/M4に続き前後異径が採用され、フロントは19インチ’タイヤは(275/35 ZR19)、リヤは20インチ(285/30 ZR20)。
車体重量はマニュアル・トランスミッション車だと1,730kg、オートマチック車だと1,754kgだとアナウンスされています。
ちなみにカーボンファイバー製ルーフはオプション扱い。
ホイールについては標準仕様がブラック、オプションにてダイヤモンドカットを選べる、とのこと。
新型BMW M2のパワートレインはこうなっている
新型BMW M2に搭載されるエンジンは「S58」、最高出力は460馬力/550Nm、最大トルクを発生するのは 2,650-5,870rpm、レッドラインは7,200 rpm。
なお、従来型M2の最高出力が410馬力だということを考慮すると、「飛躍的に」パワーアップしているということになりますね。
明確にドライサンプという文字は見えないものの、冷却系とオイル供給系は「サーキット仕様」であり、オイルサンプには2つの独立したチャンバーと追加のサクションステージを備え、マップ制御によるオイルポンプは横方向や縦方向の加速度負荷が高い場合でも潤滑油を確実に供給できる、とアナウンスされています。
トランスミッションはおなじみZF製の8速ATもしくは6速マニュアル・トランスミッション(レブマッチ機能付き)を選択でき、0-100km/h加速については6速MTの場合は4.3秒、8速ATだと4.1秒、最高速については両者とも電気的に250km/hに制限され、Mドライバーズ・パッケージを装着した場合は280km/hにまで引き上げることが可能。
そして新型M2では「ドライビング・エクスペリエンスのカスタマイズ機能」が充実していることがひとつの特徴で、オートマチックトランスミッション車には3種類のモードがあり、標準装備のサーボトロニック・ステアリング(速度感応式ステアリング)はコンフォートとスポーツの2つに切り替えが可能。
標準装備のアダプティブ・サスペンションはドライブモードに連動してダンピングが変更されるほか、DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)は、ホイールスリップを大きくする「Mダイナミック・モード」を設定でき、これはいわゆる「ドリフトモード」の一環ということになりそうです。※DSCの処理速度は従来モデルに比較して10倍速くなっている、とのこと
そのほか、これもほかのMモデルと同じく「ブレーキフィール」についてもMセットアップメニューの中でユーザーが好きなように調整することができ、快適性を重視した走行モードと、サーキット走行に最適なダイレクト感を重視した走行モードの2つが選択可能(マイルドな効きなのか、制動力がすぐに立ち上がるのか、という差なのだと思われる)。
「Mドライブ・プロフェッショナル」も標準装備となり、ドリフト・アナライザーと10ポジションのMトラクション・コントロールを搭載し、必要な時に必要な分だけデジタル制御を停止してテールを振り出すことができ、コントロールパネルにはMモードボタンが装備され、「スポーツ・モード」では機能を絞り込み、「トラック・モード」ではアシスタンス・システムを完全に停止させることができるとされています。※アクティブMディファレンシャルは最大100%のロックが可能
新型BMW M2のインテリアはこうなっている
そしてこちらは新型BMW M2のインテリア。
シートは「電動調整式レザーMスポーツシート」と「Mカーボン・バケットシート」が用意されているといい、これは標準のシートに比較して11kgの減量に成功している、とのこと。
そして内装の多くにはカーボンファイバーが用いられ、ステアリングホイールやシフト・パドル(オートマチック車)にもカーボン素材が採用されています。
メインのメーターは専用グラフィックを持つフルデジタル液晶、さらには12.3インチの情報ディスプレイと14.9インチのカーブドコントロールディスプレイを装備(BMWの最新ソフトウェアiDrive 8が搭載される)。
オプションとしてはMヘッドアップディスプレイ、ワイヤレス充電、パーソナルeSIM 5G、ステアリングホイール・ヒーターなどが用意されています。
現在日本国内向けのM2については情報がなく、しかし北米だと2023年4月から納車が開始される、とのこと。
北米だと希望小売価格が62,200ドルに設定されており、これは63,400ドルのポルシェ718ケイマン、アウディRS3(60,095ドル)に近い価格だそうですが、日本での発売に際しては、最近の円安を反映した価格設定がなされるはずで、これらライバルよりも高い設定となるのかもしれません(もしくはBMWが頑張ってこれらを下回るのかもしれない)。
新型BMW M2のプロモーション動画はこちら
参照:BMW