| XMはおそらく「小さい市場での需要が一巡」したと考えていいだろう |
一方でフェイスリフトを行った5シリーズ、2シリーズは好調である
さて、現在BMWは「販売減少」「大規模リコール」という厳しい環境に置かれていることが明らかになっていますが、今回「久々のM専売モデル」「BMWでもっともハイパワーで高価なモデルの一つ」であるXMがサッパリ売れていないということが明らかに。
具体的な数字を述べてみると、XMは2024年第三四半期の北米市場において前年同期比で30.7%もの減少を記録してしまい、顧客のもとに届けられたのはわずか307台にとどまっていて、これは(ニッチでマイナーな)Z4よりも少ない数字なのだそう。
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BMWは全体的に販売が減っている
ただ、XMのみの販売が減っているのではなく、BMW全体としても販売が落ち込んでいて、セダン/ハッチバック/クーペでは5%(フェイスリフトを受けたばかりの3シリーズでも13.7%減)、SUVは8.5%、そして傘下にあるミニは33%もの減少を記録しています。
しかしながら「年初から今まで」つまり第1、第2四半期を含めるとBMWブランドの減少率は2.1%減にとどまっており、つまり「今年後半に向かうにつれ、加速度的に」その販売が減少しているのだとも考えられます。
ただしモデルごとに販売を追ってみると、5シリーズは44.7%増、2シリーズは25.6%増、X4は41.8%の増加といった「勝ち組」もおり、しかし5シリーズと2シリーズはフェイスリフトがあったために「販売増」は理解できるとして、「売れないから販売終了」とウワサされるX4の販売が伸びたのはちょっとナゾ(逆に3シリーズはフェイスリフトを行ったにもかかわらず販売が2桁減である)。
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参照:BMW