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メルセデス・ベンツも「2022年までに全ラインナップにエレクトリックモデル」。スマートは2020年までにEV専売に

2017/09/16

ダイムラー会長、ディーターツェッツェ氏が「メルセデス・ベンツは2022年までに、すべてのモデルにエレクトリックバージョンを提供する」と公表。
加えて「スマート」においては2020年までには「EVのみ」のラインナップへと変更するとしており、となると現行スマートのガソリンモデルの寿命は「あと数年」ということに。

「メルセデス・ベンツ」ブランドにおいてはAクラス、Bクラス、Cクラスなどの各モデルに対してハイブリッドやプラグインハイブリッドモデルを設定するということになり、加えて「EQ」ブランドからはピュアEVを発売するという流れになりそうですが、「AMG」ブランドについてはどうなるのか不明(メルセデス・ベンツと同じ扱いで2022年までにエレクトリック化される?)。

なお、メルセデス・ベンツの持つハイブリッドシステムは簡素でコンパクトな割に効率が高いと認識しており、というのも既存プラットフォームに比較的簡単に「アドオン」できるため。
S560eだとバッテリーはリアトランクに、モーターはトランスミッションに取り付けられていますが、この方式だと車体の構造を大きく変更する必要はなく、たとえばフロントアクスルにモーターを搭載して駆動力を左右に分配するといった機能を持たせなくても良いということで、コストや重量増加も最低限に収まりそう(実際はそう簡単ではないことは分かっていますが)。

現在多くのメーカーが「いつまでにエレクトリック化」というコミットを行っているものの、ジャーマンスリーとフォルクスワーゲンはこれについて(いままで)沈黙。
というのもモデル数が少ない小規模メーカーがラインナップをエレクトリック化するのと、膨大なモデル数を抱える総合メーカーがエレクトリック化するのでは事情が異なります。

小規模メーカーだと生産地が「本国の一か所」だけかもしれませんが、メルセデス・ベンツやアウディは世界中に工場があり、その工場すべてで「エレクトリックモデル」を作るのは至難の業。
であればエレクトリックモデルを作る工場を集約するという手もありますが、その場合は販売する地域まで「輸送」する必要があり、結局コストが高くなる可能性も。

その意味では今回メルセデス・ベンツの発言については大きな意味があると考えられ、BMWやアウディ、フォルクスワーゲンも追随する可能性も(ずるい手ですが、販売地域を限定すれば”一応”全モデルにエレクトリックモデルを用意できるのかもしれない)

smart vision EQ fortwo smart vision EQ fortwo

なお、自動車メーカーのエレクトリック化においては、「失業者の増加」という懸念が指摘されており、どういうことかというと、「競争力の高いEVを作るには中国のバッテリーでないと無理」ということ、「EVはガソリン車に比べて部品点数が40%ほど少ない」ということ。

ガソリン車は部品点数が多いものの、その部品を生産し、消費することで「内需」が発生し、それに関わる雇用が保たれていると考えられます。

ですが「全部EV」になると、そういった部品を作っていたメーカーや、内燃機関、それに付随する補機類を組み立てていた人が「失業」することを意味するわけですね。
同様に、EVの車体価格のうち多くを占めるバッテリーを「中国から買う」ことになるので、中国にばかり「お金と雇用」が集中することになり、「部品点数が減る上に」「基幹コンポーネントまでも中国に移る」となると、それ以外の国で出来ることはごくわずか。

部品点数が「40%少ない」としても、それは「部品を現地調達した場合」の試算であり、バッテリーが中国製になるのであれば、実際のところ(中国以外の国で作っている)工場の業務量は半分以下になるのは明らかで、となると「今、その工場で働く人の半分以上の人が失業する」可能性も。

これはEV化が進んだ場合の机上の空論ですが、もし「EV化が進まなかったとして」もこれは大きな問題で、各自動車メーカーがここまで投資した「EV関連の設備投資」が一気に負債へと転じることも考えられるわけですね。

なお現在、世界におけるEVの販売比率は「わずか1%」。
この1%にその多く、もしくはすべてを賭けようというのが今の自動車業界の動きですが、「どう転ぼうと」自動車業界は大きく変わることになり、その国の経済構造も(自動車メーカーが大きなウエイトを占める場合)変わることになりそうですね。

なお、現時点でエレクトリック化を宣言したメーカーは下記の通り。

・フェラーリ → 2019年以降発売の車はエレクトリック化
・ジャガー → 2020年にはラインアップすべてをエレクトリック化
・マセラティ → 2019年以降発売の車はエレクトリック化
・メルセデス・ベンツ → 2022年には全てのモデルにエレクトリック版を追加
・フォルクスワーゲン → 2019年にI.D.第一弾発売、2022年までには5モデルへ拡充、2025年には100万台のEV/PHEVをグループで販売予定
・アウディ → 2018年にe-torn新モデル発売
・ランドローバー → 2020年にはラインアップすべてをエレクトリック化
・アストンマーティン → 2025年にはラインアップすべてをエレクトリック化
・BMW/ミニ/ロールスロイス → 2025年までに25モデルのEV/PHEV発売
・ボルボ → 2019年以降発売の車はエレクトリック化
・ポルシェ → 2019年くらい?にミッションEの市販モデル発売
・ランボルギーニ → 検討中
・マクラーレン → 2020年以降にスポーツシリーズをハイブリッド化
・日産 → 2017年にリーフを発売
・トヨタ → ?
・ホンダ → ?

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