放置の理由、発見の経緯については明かされず
メルセデス・ベンツがフロリダにて開催される「アメリア・アイランド・コンクール・デレガンス」に二台のメルセデス・ベンツ300SLガルウイングを展示する、と発表。
これらメルセデス・ベンツ300SLガルウイングは2018年にメルセデス・ベンツのクラシック部門が「発見」したもので、これをメルセデス・ベンツ自らがレストアして展示する、ということになります。
まさかこのクルマが二台も発見されることになろうとは
さらに驚くべきことに、この「発見された」メルセデス・ベンツ300SLガルウイング2台は「連番」で、画像の「シャシーナンバー43」は1954年にマイアミへと最初に納車されたもの。
その後10年間は登録された状態であったそうですが、その後なぜか行方がわからなくなり、しかし今回メルセデス・ベンツによって発見された、ということに(なぜ発見に至ったのかもわからない)。
そしてこの個体は「ほぼすべてがオリジナル」で、唯一改造されているのは「ボディカラー」。
もともとはブルーであったものを塗り替えようとした形跡があって、再ペイントのための下地処理としてサンディング加工が施された状態となっています。
これについても、なぜこのまま放置されることになったのか、なぜ新しい塗装が施されなかったのかはまったく不明。
そしてもう一台の「シャシーナンバー44」も完全にレストアされ展示されるようですが、こちらは「完全ノーマル」ではなく、シフトレバー、エキゾーストマニホールド等にカスタムが施されている、とのこと。
なお、 メルセデス・ベンツ300SLガルウイングは「もっとも価値のあるクラシックカー」のうちの一台、として メルセデス・ベンツのコレクターのみならずクラシックカー収集家であれば「必ず手に入れておきたい一台」としても知られます。
生産台数はわずか1,400台(もちろん現存するのはもっと少ない)で、コードは「W198」、SLとは軽量スポーツを表す「Sport Leicht」の略。
この「ガルウイング」のほかオープンモデルの「ロードスター」も生産されていますが、両方とも非常に価値が高く、メルセデス・ベンツ300SLロードスターは昨年に4億1000万円で落札され、300SLロードスターの落札価格を塗り替えることに。
もちろんメルセデス・ベンツも300SLを「非常に重要な資産」だと位置づけており、だからこそ今回自社でレストアすることを決めたのだと思われますが、メルセデス・ベンツ300SL既存オーナー向けにパーツを新規製造して再販することも決定。
さらに次期SLには300SLの要素を取り入れるという噂もあり、メルセデス・ベンツが自社のヘリテージを本格的に活用し始める、ということになりそうですね。