>メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz/AMG)

【21年前の最先端】「地上を走るファーストクラス」。メルセデス・ベンツ VISION R 320 CDIが示した「究極の移動空間」とは?

【21年前の最先端】「地上を走るファーストクラス」。メルセデス・ベンツ VISION R 320 CDIが示した「究極の移動空間」とは?

Image:Mercedes-Benz

| なぜ今、このヴィジョン R320が再評価されるのか |

2005年、メルセデス・ベンツが「高級セダンの快適性」「ワゴンの実用性」「SUVの走破性」のすべてを凝縮した次世代のコンセプトとして世界に提示したのが、「VISION R 320 CDI」。

現在、メルセデス・ベンツ博物館で開催中の特別展「ヤングタイマー」においてこの伝説のコンセプトカーが再び脚光を浴びており、実際のところ140周年という節目に、あえて今「Rクラス」の原点を見直すことで、未来のモビリティに求める「本当の豊かさ」が見えてくるように思います。

【一度は行ってみたい】メルセデス・ベンツ博物館の入場者が94万人を突破し記録更新、2026年は「140周年の超祭典」へ
【一度は行ってみたい】メルセデス・ベンツ博物館の入場者が94万人を突破し記録更新、2026年は「140周年の超祭典」へ

Image:Mercedes-Benz | 近くのポルシェミュージアムと「セット」で訪れたいものである | 【この記事の3点まとめ】 過去最高を塗り替える熱狂: 2025年の来場者数は約94万5,71 ...

続きを見る

この記事のポイント

  • 20年先を走っていたコンセプト:SUVでもミニバンでもない「グランド・スポーツ・ツアラー」の原点
  • ナノ技術の極致:50nmの微細粒子を用いた「ALU-BEAM」塗装による、金属のような圧倒的輝き
  • 贅を尽くした6人乗り:パノラマルーフとラウンジのような内装が生む、圧倒的な開放感
  • 特別展「ヤングタイマー」で開催中:2026年4月12日まで、メルセデス・ベンツ博物館にて実車を公開
26C0021_002

Image:Mercedes-Benz

時代が追いつけなかった「グランド・スポーツ・ツアラー」

2000年代初頭、メルセデス・ベンツは既存のカテゴリーに収まらない新しいクルマの形を模索しており、2002年に発表されたコンセプト「VISION GST」を経て、より市販に近い形で2005年に登場したのがこのVISION R 320 CDIです。

「単なる移動を、上質な旅に変える」というその思想は、現代のラグジュアリーEVに通ずるものがあり、全長5メートル近い巨体が生む広大な室内スペースは「まさに動くラウンジ」。

当時としては極めて野心的な試みを持つ意欲作です。

26C0021_003

Image:Mercedes-Benz

メルセデス・ベンツ140年の軌跡|伝説の「誕生」から「世界記録」、そして未来へ向かう歴史を振り返る
メルセデス・ベンツ140年の軌跡|伝説の「誕生」から「世界記録」、そして未来へ向かう歴史を振り返る

Benz Patent-Motorwagen Image:Mercedes-Benz | メルセデス・ベンツは「自動車を発明した」会社としてその重責を担っている | 記事のポイント(3行まとめ) 歴史 ...

続きを見る

VISION R 320 CDIの特徴:デザイン・スペック・先進性

この車両が放つ独特のオーラはスペック表の数字だけでは測れない「こだわり」に支えられており・・・。

VISION R 320 CDIの概要

項目詳細スペック
パワートレイン3.0L V6 ディーゼル(CDI)
最高出力224 ps / 510 Nm
駆動方式4MATIC(フルタイム4輪駆動)
足回りAIRMATIC(エアサスペンション)
ボディカラーALU-BEAM(アル・ビーム)特殊塗装
乗車定員4 + 2 名(独立6座席)
ホイール21インチ AMG製 5スポーク
26C0021_005

Image:Mercedes-Benz

注目すべき3つの「革新ポイント」

  1. ALU-BEAM(アル・ビーム)塗装
    通常のメタリック塗装よりも遥かに細かい(30〜50ナノメートル)顔料を使用。光の反射を極限まで高め、車体のラインを彫刻のように際立たせ、これは後にSLS AMGなどの限定車にも採用された伝説の技術でもある
  2. 4+2のファーストクラス・レイアウト
    全席が独立したシートを採用。特に後席の足元空間は当時のSクラスをも凌ぎ、頭上には巨大なパノラマガラスルーフが広がっている
  3. 先進のディーゼル技術
    当時はまだ珍しかった高トルク・低燃費のV6ディーゼルを搭載。「ディーゼル=商用車」というイメージを覆す、クリーンで力強い走りを提案していた
26C0021_014

Image:Mercedes-Benz

なぜ今「Rクラス」が注目されているのか?

かつての「Rクラス(2005〜2013年)」は、当時のSUVブームに隠れて販売面では苦戦したものの、現在の中古車市場やマニアの間では「最高の長距離移動車」としてカルト的な人気を博しています。※往々にして珍車は新車時に台数が出ず、しかし後に再評価されることでその価値を上げる傾向にある

  • 多目的性(マルチパーパス)の再定義
    現代の「SUV一辺倒」の市場に対し、車高を抑えつつ広大な空間を持つRクラスのパッケージングは、現在の電気自動車(EV)のデザイン(床下にバッテリーを積むため車高が高くなるが、室内は広くしたい)に非常に近い考え方
  • ヤングタイマーとしての価値
    メルセデス・ベンツ博物館が2026年までの特別展にこの車を選んだのは、これが「単なる古い車」ではなく、「メルセデス・ベンツが未来をどう描いていたか」を最も雄弁に語る一台だから
メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツの知られざる11の事実。「ABSをはじめて実用化した」「30年前に自動運転を開発していた」「ネパールでは道路ができるよりも先に輸入された」etc.

| メルセデス・ベンツほどの歴史があれば、もう何があっても驚かない | そして140年超もの間、自動車業界の第一線に居続けていたことにも驚かされる さて、メルセデス・ベンツ創業者、カール・ベンツは「自 ...

続きを見る

26C0021_010

Image:Mercedes-Benz

たしかにいま、このヴィジョン R320を見てみると「現代にも通じる要素」、あるいは「いまようやく時代が追いついた」要素がいくつか見られ、ヴィジョン R320は「早すぎた」存在であったのかもしれません。

そしてこのヴィジョン R320が存在したからこそ、現代のメルセデス・ベンツに新しい考え方が導入されているのだと理解することもでき、今回メルセデス・ベンツが「140周年」を迎えるに際し、自分たちの博物館にこのクルマを展示することにも納得がゆきます。

メルセデス・ベンツ「ヴィジョン・アイコニック(Vision Iconic)」発表。ソーラーペイントや巨大発光グリルを備え”未来と伝統を融合した”ド迫力のコンセプトカー
メルセデス・ベンツ「ヴィジョン・アイコニック(Vision Iconic)」発表。ソーラーペイントや巨大発光グリルを備え”未来と伝統を融合した”ド迫力のコンセプトカー

Mercedes-Benz | これまでのメルセデス・ベンツとは全く異なるデザイン言語を押し出してきた | メルセデス・ベンツ、「Vision Iconic」で“新しいアイコンデザイン時代”を宣言 メ ...

続きを見る

26C0021_013

Image:Mercedes-Benz

結論:旅の喜びを再発見する「空間の美学」

VISION R 320 CDIは、ぼくらに「クルマとは単なるスペックの塊ではなく、そこで過ごす時間と空間こそが最大の価値である」と教えてくれる一台。

140周年を迎え、新型Sクラスにて「究極のデジタル」を提示したメルセデス・ベンツではありますが、その一方で20年前のこのコンセプトカーを展示し続けるのは「いつの時代も、メルセデス・ベンツは快適な移動空間(Space)の開拓者である」という自負があるからなのかもしれませんね。

26C0021_009

Image:Mercedes-Benz

合わせて読みたい、メルセデス・ベンツ関連投稿

メルセデス・ベンツのホイールはどうやって誕生しどこへ向かうのか?最初のホイールは木製、そして現在の「空力ホイール」のトレンドは1911年にはじまっていた
メルセデス・ベンツのホイールはどうやって誕生しどこへ向かうのか?最初のホイールは木製、そして現在の「空力ホイール」のトレンドは1911年にはじまっていた

Mercedes-Benz. | メルセデス・ベンツのホイールの「進化」は一貫してその機能的理由に基づいていた | その思想が創業当初から変わっていないことには驚きである さて、メルセデス・ベンツがそ ...

続きを見る

メルセデス・ベンツ
トランプ政権がメルセデス・ベンツに「本社をドイツからアメリカへと移転させるよう」優遇措置とともに公式に打診。ベンツがこれを拒絶した真相とは

| メルセデス・ベンツにとっても「魅力的な」オファーであったと思われるが | この記事のポイント 前代未聞の誘惑: トランプ政権がメルセデスに「米国への本社移転」を公式に打診。 破格の条件: ルトニッ ...

続きを見る

1996年発表、メルセデス・ベンツ「F200イマジネーション」が1.3億円で落札!ペダルやステアリングホイールがなくジョイスティックのみで操作するという珍コンセプトカー
1996年発表、メルセデス・ベンツ「F200イマジネーション」が1.3億円で落札!ペダルやステアリングホイールがなくジョイスティックのみで操作するという珍コンセプトカー

| メルセデス・ベンツはこれまで様々なコンセプトカーをリリースしてきたが、中には20年以上かけて実現された技術も盛り込まれている | メルセデス・ベンツはいつも時代を超越したコンセプトカーを発表してき ...

続きを見る

参照:Mercedes-Benz

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz/AMG)
-, , , ,