
Image:Mercedes-Benz
| C63に搭載される4気筒エンジンは巨額の開発費を投じた「超ハイテクエンジン」ではあったが |
メルセデスAMGの象徴でありながら現行モデルでの「4気筒ハイブリッド化」が波紋を呼んでいたC63(一部では詐欺よばわりまでなされていた)。
ついにその戦略を修正する決定的な判断がなされ、メルセデスAMGのCEO、ミハエル・シーベ氏が自ら「C63に搭載されていた2.0L 4気筒エンジンを廃止し、3.0L 直列6気筒エンジンへ移行する」と明言しています。
この記事の要約(C63の大きな転換点)
- 4気筒の廃止:現行の2.0L直4プラグインハイブリッド(PHEV)は2026年モデルをもって終了。3年程度の短命であった
- 直6の採用:後継モデルにはCLE 53にも搭載される3.0L直列6気筒ターボを採用
- 名称の変更:パワーバランスの調整により、車名は「C53」へ変更される見込み
- V8復活は?:CクラスへのV8搭載は現時点では否定されたが、上位の「CLE 63」ではV8復活が確定的
Image:Mercedes-Benz
なぜAMGは「最強の4気筒」を諦めたのか?
現行のC63 S E-Performanceはシステム出力681馬力という歴代最強の数値を誇っており、実際のところそのパフォーマンスも歴代最強。
しかしながら市場の反応は冷ややかで・・・。
- 情緒の欠如:AMGファンが求めていたのは数値上の速さだけでなく、官能的なサウンドと「エンジンの鼓動」だった
- 重量の問題:エンジンが小さくなったにもかかわらず、巨大なバッテリーとエレクトリックモーターにより、車重は約2.1トン(先代比+400kg近く)まで肥大化し、軽快さが失われた
- シリンダー数と排気量:「4リッターV8」から「2リッター直4」へのダウンサイジングは「AMG」という性質上、許容しがたいものであった
Image:Mercedes-Benz
つまるところ、「エンジンが小さくなった」「ハイブリッド化された」「とんでもなく重くなった」というポイントにおいてメルセデスAMGのファンからの不評を買ってしまい、「ダウンサイジング+ハイブリッド」は「なんの意味もなさず、単に環境規制のためだけに導入したのではないか」という解釈がなされ、結果として「総スカン」となってしまったわけですね。
-
-
驚愕の680馬力、新型メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス発表!C63初の4気筒、ハイブリッド、4WD、4WSなど新機軸を盛り込んだゲームチェンジャー
| 正直、メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンスがここまで革新的なクルマになるとは想像しなかった | メルセデスAMGは「AMG One」を通じ、電動化をパフォーマンスに結びつける方程式を見つ ...
続きを見る
新型「C53」と直6エンジンの実力
新たに投入される直列6気筒モデルは、電動アシスト(48Vマイルドハイブリッド)を備えた純粋な内燃機関に近い構成になると見られており、予想スペックは以下の通り。
C63(現行) vs 新型 C53 スペック比較
| 項目 | 現行 C63 S E-Performance | 新型 C53 (2027年モデル) |
| エンジン | 2.0L 直4 ターボ + エレクトリックモーター | 3.0L 直6 ターボ (M256) |
| パワートレイン | PHEV (プラグイン) | MHEV (マイルドハイブリッド) |
| 最高出力 | 681 hp | 443 hp + α |
| 最大トルク | 1,020 Nm | 560 Nm + α |
| 車重 | 約 2,100 kg | 大幅な軽量化 (約 1,800kg台?) |
※新型C53の出力は、CLE 53の数値をベースにした予想値
Image:Mercedes-Benz
「63」の名はV8のために取っておく?
ちょっと興味深いのは、6気筒搭載モデルが「C63」ではなく「C53」を名乗るという点で、ここにメルセデスAMGのプライドと戦略が見え隠れしているのかもしれません。
現在、メルセデスAMGは上位モデルの「CLE 63」にV8エンジンを復活させる準備を進めており、この新しいV8エンジン(M177 Evo)はフラットプレーンクランクを採用した超高回転型になると噂されています。
そしてCクラスの上位互換であるCLEに「真の63」を冠することでラインナップのヒエラルキーを再構築しようとしている可能性が高く、つまりこのモデルとの差別化を考慮したがために「53」という表記に留められたのかもしれません。
Image:Mercedes-Benz
さらに考えられるのは、C53を発売したとしても、「やっぱりV8のCクラスが欲しい」という熱狂的な声が止まなければ、メルセデスAMGは「C63」としてV8を復活させることも視野に入れているのかもしれず、その余地をあえて残して「53」とした可能性もありそうですね(ただ、CクラスのプラットフォームにはV8を搭載することが物理的に不可能だとは言われている)。
結論:2026年は「AMG再評価」の年になる
4気筒ハイブリッドという「実験」は、技術的には成功ではあったものの、ビジネスとしては顧客の心に響かなかったというのが残酷な事実です(ただ、時代の変化とともに再評価されるという声もある)。
-
-
メルセデスAMG「C63の4気筒は万人には受け入れられませんでしたが、それでも新しいファンを獲得しました。その判断は間違っていなかったと思います」
| メルセデスAMGは今後プラグインハイブリッド/ハイブリッドに注力しつつもゆるやかに電動化を進めるようだ | 残念ながらC63にV8エンジンの復活は「ない」もよう さて、メルセデス・ベンツは「ライン ...
続きを見る
直6への回帰は一見するとパワーダウンに見えますが、軽量化によってもたらされるハンドリングの向上、そして直6ならではの滑らかな吹け上がりについては多くのファンが「これこそがメルセデスAMGのスポーツセダンだ」と納得する仕上がりになるものと思われます。
Image:Mercedes-Benz
-
-
ついに「メルセデス・ベンツ史上最悪の失敗作」とされた4気筒版AMG C63が生産中止へ。「テクノロジーの傑作」とされながらもなぜファンに拒絶され短期間での終焉を迎えたのか
Image:Mercedes-Benz | ファンが待ち望むV6/V8エンジン復活の道 | 短命に終わった「技術の傑作」 メルセデスAMGの最新世代「C63」は、かつての轟音を響かせるV8エンジンから ...
続きを見る
合わせて読みたい、関連投稿
-
-
4気筒にスイッチしたメルセデスAMG C63が「ほぼゼロに近いくらい」売れていないもよう。AMGは気筒数の現象に対する反応を見誤り、状況に対処するためV8復活とも
| メルセデス・ベンツとしては「C63史上最高のパワー」があれば顧客を納得させることができると考えていたはずだが | 実際には「あまりにがっかりな」販売結果となることに さて、メルセデス・ベンツはV8 ...
続きを見る
-
-
メルセデスAMGがついに「ええ、C63の4気筒化によっていくばくかの顧客を失いました」と認める。優れたパワートレーンが顧客に認められないのはフェラーリ同様か
| メルセデスAMG C63に積まれる4気筒+プラグインハイブリッドはF1直系の素晴らしいユニットである | フェラーリF80同様、ダウンサイジングがなかなか顧客に受け入れられないのが難点である さて ...
続きを見る
-
-
【AMGの後悔】C63がV8を捨てた代償は大きかった?メルセデス幹部が「4気筒2.0L PHEVは顧客に響かなかった」と認め、「V8を新しく開発中」と語る
| 電動ターボ採用4気筒ハイブリッドは「最も進んだパワートレイン」だったが… | 一転してこのパワーユニットは予定よりも早く生産終了となるもよう かつてV8エンジンを誇ったAMG C63は最新世代で2 ...
続きを見る
参照:Mercedes-benz, etc.
















