| 時代の流れでもあり仕方ないと言えど、「あのコルベットが」と驚かされる |
発表時には大きなセンセーションを巻き起こした新型コルベット(C8)。
エンジンがフロントからミッドマウントに移行したことで「コルベット史上、もっとも大きな」変化を迎えたということになりますが、その価格の安さも話題の一つ。
現時点では「実際の」パフォーマンスについて不透明な部分があるものの、先代C7コルベットを上回ることは間違いなく、かつこれまでに公開された情報を見る限りでは「相当な」パフォーマンスを持つことは間違い無さそうですね。
まったく予期していなかった事実
そして、そんな新型コルベットですが、カーメディア、ザ・スモーキング・タイヤのマット・ファラー氏によれば「新型コルベットは、車内のスピーカーからフェイクのエンジンサウンドを流している。これはスペック上の事実だ」。
現在欧州は排ガスだけではなく「音」に関する規制も厳しく、よって欧州車の多くはフェイクサウンドを持つに至っており、メルセデス・ベンツの新しいモデルも順次これを採用。
たとえばドライブモードを変更した際、これまでだと物理的にエキゾーストシステムのバルブが開いてサウンドが大きくなったものですが、最新のモデルでは「エキゾーストシステムに変化はなく」、ただし室内に流れるエキゾーストサウンドのみが大きくなる、という仕様を持っています(つまり外から聞く音は同じだが、室内だけに勇ましいエキゾーストノートが響き渡る)。
ちなみに実際に乗ってみた印象だと「予めそうだと言われていないとわからない」、もしくは「そう言われていてもにわかには信じられないほどリアルなサウンド」を持っていて、そして大きなサウンドに包まれると(それがフェイクで、実際は何も変わらないとわかっていても)パワーが上がったり、足回りが引き締まったりという「錯覚」を覚えるのもまた不思議なところ。
コルベットと言えど規制から逃れることは出来ない
「わかっていても」音に騙されてしまうあたり、人間はまさに感覚に頼る生き物だとしかいいようがりませんが、大きなサウンドを発したり、エンジン回転数を上げたりといった走り方がもはや許されない時代になってしまった今、こういったサウンドが”低い速度であってもスポーツカーとしての魅力を向上させ、楽しさを増幅させる”ための一つの手段であるということは理解していますが、まだまだ規制の緩いアメリカをメインターゲットとする、そしてアメリカンマッスルの代名詞のようなコルベットが「フェイクサウンド」というのはちょっとショックでもありますね。
ちなみに新型トヨタGRスープラにもフェイクサウンドが装備されており、やはりこちらも「フェイクサウンドだとあらかじめ聞いていても、実際に耳にするとフェイクだとわからない」レベルであり、フェイクサウンドもどんどん「進化」しているのでしょうね。
おそらく今後はあらゆる車に対する締め付けが厳しくなり、フェラーリであろうがランボルギーニであろうがマクラーレンであろうがこの規制から逃れることができない時代がやってこようとしていますが、そういった時分のスポーツカーはいったいどうなっているんだろうな、と考えたりします。
VIA: Matt Farah-Twitter