
| メルセデス・ベンツは自動運転に強い関心を持っている |
この記事の要約(次世代モビリティの転換点)
- ラグジュアリーの自動化:新型Sクラスをベースとした、世界で最も豪華なロボタクシー計画が始動
- 最強の布陣:NVIDIA(AI・演算)、Uber(配車)、Momenta(自動運転ソフト)ら業界リーダーと提携
- 安全性への執念:ステアリング、ブレーキ、電源すべてを二重化した「フェイルセーフ」構造を採用
- 世界展開:2026年後半、アブダビを皮切りにアメリカ、アジア、欧州、中東へ順次導入予定
ついにメルセデスが「ロボタクシー」市場へ本腰!
メルセデス・ベンツが新型Sクラスをプラットフォームとした「ロボタクシー・エコシステム」の構築を加速させると発表。
これまで「自ら運転する喜び」と「後部座席の快適性」を追求してきたSクラスが、ついに「運転手のいない完全自動運転シャトル」へと進化することを意味しており、メルセデス・ベンツが目指すのは「単なる移動手段」ではなく、安全かつ圧倒的に贅沢な「SAEレベル4(特定条件下での完全自動運転)」の体験です。
なお、メルセデス・ベンツはこのプロジェクトについて明確に「ロボタクシー」と呼んでおり、これはテスラによる「ロボタクシー」の商標申請が「ありふれた名称」として却下されたことを受けてのこと(一般に広く使用できるとの判断)なのかもしれません。
Image:Mercedes-Benz
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メルセデス・ベンツの「MB.OS」と「NVIDIA」が織りなす魔法
今回のプロジェクトの鍵を握るのは、メルセデス独自のオペレーティングシステム「MB.OS」と、最強のテクノロジーパートナーたちで・・・。
1. NVIDIAとの強力なタッグ
AI半導体の王者NVIDIA(エヌビディア)との提携により最新の「DRIVE Hyperion」アーキテクチャを搭載し、推論ベースの高度なAIモデルとシミュレーションツールを活用し、複雑な都市部でも「安全性第一」の自動運転を実現します。
これについては今年はじめに開催されたCESにおいて、エヌビディアからも発表がなされていますね。
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2. UberとLumoがプラットフォームを提供
さらには配車大手のUber(ウーバー)や、技術企業K2傘下のLumo(ルモ)と協力。
ユーザーはアプリ一つで最高級のSクラス・ロボタクシーを呼び出すことができるようになります。
3. Sクラスだからこそ可能な「フェイルセーフ」
ロボタクシー化にあたり、新型Sクラスには以下の徹底的な冗長性(バックアップ)が組み込まれています。
なぜ「コストの高いSクラスをロボタクシーに?」と疑問に思うものの、これを見るに「Sクラスだからこそ」ロボタクシーが実現できるのだということがわかりますね。
| 項目 | ロボタクシー仕様Sクラスの特長 |
| ステアリング | 二重化(メイン故障時もバックアップで操舵可能) |
| ブレーキ | 二重化(確実な停止を保証) |
| 演算ユニット | 超高性能な冗長コンピューティング |
| 電源供給 | 独立した二重電源システム |
| ソフトウェア | 自社開発MB.OS + NVIDIA DRIVE AV L4 |
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なぜ「Sクラス」でなければならないのか?
実際のところ、メルセデス・ベンツ取締役のイェルク・ブルザー氏は、「Sクラスこそが究極のプラットフォームである」と断言。
ロボタクシー市場は現在、実用性重視の専用車両や安価なEVが主流ですが、メルセデス・ベンツはあえて「高級車市場」を狙っており、ビジネスエグゼクティブの移動や高級ホテルの送迎など、これまでの自動運転タクシーには欠けていた「ステータス」と「至福の空間」を提供することを目指しており、これがメルセデス・ベンツの戦略的な位置付けということに。
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「所有」から「最高の利用」へのシフト
「ベンツは自分で運転してこそ」と考えたりするものの、しかしメルセデス・ベンツが描く未来は、「自分で運転したい時は最高性能のADAS(運転支援)が助け、移動を仕事や休息に充てたい時はSクラスが専属運転手になる」という二面性。
2026年後半には、アブダビの公道で最初のテスト車両が走行を開始するといい、中東の砂漠を静寂の中、自動で駆け抜けるSクラスの姿は、自動車の定義が「道具」から「自律的な空間」へと変わる歴史的な瞬間となるのかもしれません。
結論:メルセデス・ベンツが定義する「自動運転の正解」
メルセデス・ベンツのロボタクシー参入は、テスラや中国勢が先行する自動運転競争において、「安全性」と「ラグジュアリー」という強力な付加価値を持ち込むこととなり、かつ「MB.OS」という強固な自社プラットフォームをベースとしつつもNVIDIAやUberといった各分野の王者を呼び込む「オープンなエコシステム」。
これこそが、伝統あるメーカーがテック企業に打ち勝つための最適解なのだとも考えられます。
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参照:Mercedes-Benz















