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メルセデス・ベンツ「EV版Gクラスの開発を開始した。あと数年すればそれを見ることができるだろう」

2020/03/26

| 最も燃費の悪そうなクルマが、もっとも環境に優しいクルマに |

メルセデス・ベンツが「Gクラスのフルエレクトリックモデル開発に着手した」とコメント。
これはCarAdviceによる電話インタビューに対しダイムラーのボス、オーラ・クレニウス氏が語ったもので、「すでにプロジェクトはスタートしている。つまり、あと数年もすればフルエレクトリックバージョンのGクラスを見ることができるということだ」という内容です。

なぜGクラスがフルエレクトリック?ということですが、これはおそらくCO2排出総量規制の関係。
これはその自動車メーカーごとに対し、「CO2排出量をこれ以下に収めよ」という規制であり、これに反すると膨大な額の罰金を徴収されることになるわけですね。※フェラーリとアストンマーティンが罰金を課されたと報道されている

メルセデス・ベンツは「ピュアエレクトリック版のGクラス」を用意していた!”もっとも燃費の悪いクルマ”の汚名返上なるか

メルセデス・ベンツにとってGクラスの燃費改善は急務

これを回避するにはいくつかの手段があり、まずは「最も売れているモデルのCO2排出量を改善する」。
より多く売れているモデルのCO2排出量を減らすことで、そのメーカー全体の全体的な排出量ならびに一台あたりの平均値を引き下げることが可能となりますが、これと真逆の方法が「もっとも燃費の悪いクルマのCO2排出量を改善する」。
どちらの方法がいいかについては、そのメーカーに占める「要改善車種」の比率によって変わるとは思われるものの、メルセデス・ベンツの場合はどうやら後者が重要だと考えている模様。

というのも、Gクラスの販売はどんどん伸びており、過去最高だった2017年(従来モデル生産終了直前)の22,000台から更に増え、現在ではなんと35,000台へ。
そしてGクラスは(新型になって軽くなったといえど)その重量に起因してどうしても燃費が悪く、よってGクラスの販売が今後も増え続けるであろうことを考えると「このまま放置すると、メルセデス・ベンツ全体のCO2排出量が増加する」と考えたのかも。
そしてもちろん、これだけ売れているGクラスをフルエレクトリック化すれば、相当なCO2排出総量の改善ができることになりそうです(フルエレクトリック版を発売したと仮定し、現在の販売のすべてがこれに置き換わるわけではないとしても)。

メルセデス・ベンツGクラスの生産が累計30万台。なお2012年以降は毎年販売記録を更新中

実際にメルセデス・ベンツGクラスを「エレクトリック」にコンバートする会社も

なお、メルセデス・ベンツGクラスは「セレブ(とマフィア)に大人気」なクルマではありますが、セレブは環境に対して強い関心を持つ人々も多く、しかしその燃費が悪いというイメージからGクラス購入をためらうケースも多いと聞きます(ガソリン代を心配しているのではなく、自分のイメージがダウンすることを恐れる)。

よって、現在でもGクラスを電気自動車に換装する会社が存在し、その筆頭がオーストリアのKreisel Electric。
これはアーノルド・シュワルツネッガー氏が出資する企業で、同氏はすでに自身のGクラスをEVへとコンバートしています。

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シュワルツェネッガー氏が自身のメルセデス・ベンツGクラスをEV化。環境のため新ビジネスへの投資?

こういった現状を見るに、メルセデス・ベンツ自らが「ピュアエレクトリック版のGクラス」を発売すれば、「最も環境に悪い部類の車がゼロ・エミッションとなった」という話題が世界中を駆け巡り、となれば「エレクトリックGクラスに乗る」ということがセレブにとって一つの「エコアピール」となる可能性も出てきて、相当な人気モデルになるんじゃないかとも考えたりするわけですね。

VIA: Car Advice

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