| 実際にけっこうな数の不具合が発生していた |
さて、スズキがジムニー7万台超に対してリコールを届け出。
内容としては「フロントサスペンションのコイルスプリングが錆びて折れる」というもので、対象となるのは平成25年4月9日~平成30年2月22日に製造されたジムニーとAZ-オフロードの2車種で、合計台数は76,362台。
不具合対応の内容としてはフロントコイルスプリングを交換することになりますが、現在までに発生している不具合は408件とかなり多く、しかし幸いなことにこれに起因する事故はゼロ。
なお、不具合の原因と状況については下記の通り発表されています。
フロントサスペンションにおいて、コイルスプリングの鋼材に対する塗料の密着性が不足しているため、砂や小石を噛み込んだ場合に、塗装が剥がれやすく、腐食
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が早期に進行するものがある。そのため、最悪の場合、コイルスプリングが折損するおそれがある。
スズキは同様の件にて以前にもリコールを届け出
この「スプリングが折れる」という内容はどこかで聞いた覚えがあるなあと記憶の糸を手繰り寄せてみると、スズキは2020年6月に同様の内容にて、「ワゴンR、スペーシア、アルトラパン、MRワゴン、モコ、フレア、フレアワゴン」の7車種610,496台に対してリコールを届け出。
こちらは460件の不具合が生じていると発表されていますが、比率からすると今回のジムニーのほうが圧倒的に高く、それはやはり「用途」に起因するものと思われます。※ジムニーは408件/76,362台=0.53%、このリコールは460件/610,496台=0.075%
プジョーは「リアシート問題」でリコール
そしてほかにも数社がリコールを届け出ており、プジョーは「リアシート取り付けトルクが不十分」として3008をリコール。
輸入機関は平成29年2月22日~平成29年4月10日で、対象台数は258台。
本件に関して不具合の報告はなく、事故もゼロ。
内容は下記のとおりです。
リアシートにおいて、設計での検証が不十分なため、リアシート取付ボルトの締付トルクが不足している。そのため、走行中の振動等により当該ボ
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ルトが緩み、リアシートフレームの溶接部が破断して、最悪の場合、乗員が安全に着座できないおそれがある。
メルセデス・ベンツA/Bクラスはターボチャージャーに不具合
メルセデス・ベンツはAクラス/Bクラスにリコールを届け出ていて、これはターボチャージャーからのオイル漏れ、そして火災の可能性も。
令和元年12月9日~令和2年2月18日の間に輸入されたA180、A180セダン、B180の4車種401台が該当します。
不具合の報告は0件、実際に発生した事故も0件で、問題発見の動機は「ドイツ本社からの情報による」。
ターボチャージャのオイル供給ホースにおいて、製造機器の保守管理が不適切なため、カシメ不良が発生しているものがある。そのため、当該箇所からオイル漏れが発生し、最悪の場合、漏れたオイルが排気管に付着することで火災に至るおそれがある。
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メルセデスAMG C63はECU不具合
メルセデス・ベンツ2件めはECUの不具合となり、1件のみ「市場からの情報」つまりユーザーに発生したと思われる不具合があるようです。
対象となるのはメルセデスAMG C63、メルセデスAMG C63S、メルセデスAMG C63ステーションワゴン、メルセデスAMG C63Sステーションワゴン、メルセデスAMG C63クーペ、メルセデスAMG C63Sクーペ、メルセデスAMG C63カブリオレ、メルセデスAMG C63Sカブリオレの8車種264台。
不具合の内容は下記のとおりです。
エンジンコントロールユニットの制御プログラムにおいて、車両へ搭載する仕様の管理が不適切なため、正規と異なる仕様のプログラムを搭載している。そのため、冷間時に行うアイドルアップ制御が正しく作動せず、最悪の場合、排出ガスが基準値を超えるおそれがある。
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メルセデス・ベンツCクラス/GLCは緊急通信モジュールの故障
そしてメルセデス・ベンツは3件目のリコールを届け出。
これまでの例を見ても、アウディやBMWよりも(メルセデス・ベンツのリコールは)かなり多いという印象ですが、実際に北米の品質調査結果においても順位が低く、その「品質が高そうな」メルセデス・ベンツのイメージからすると意外な結果となっています。
なお、このリコールについては緊急通信システム、つまり事故時にSOSを発する機能に不具合があるようで、ドライブトレーンなど自動車の根幹以外に関わる部分のリコールも多く、近年の自動車の複雑さを感じさせるところですね。
実際に起きた不具合はゼロ、これによって発生した事故もゼロ。
ただし対象車種はCクラス、GLCは、Eクラス、CLS、Sクラス、マイバッハなど57車種にわたり、その台数も1,935台とけっこう多め。
不具合の内容は下記の通りで、プログラムの書き換えによって改善します。
緊急通報システムの通信モジュールにおいて、制御プログラムが不適切なため、自動及び手動の24時間緊急通報サービスが使用できないおそれがある。
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