| なんといっても生産されたのはわずか6台、よって基本的に市場に流通することは稀である |
この機会を見逃すメルセデス・ベンツコレクターはおらず、激しい争奪戦となるだろう
さて、先日は「生産20台のみ」というウルトラレアなメルセデス・ベンツCLK GTR シュトラッセがオークションに登場するという話をお伝えしましたが、RMサザビーズの開催する同じオークションに、なんと「生産6台のみ」にとどまるそのオープン版、CLK GTRロードスターが出品されることに。
メルセデス・ベンツはその創業初期からずっとモータースポーツにおいて輝かしい足跡を(ル・マン24時間レース以外で)残してきた自動車メーカーですが、1997年に新しくスタートしたFIA GT チャンピオンシップ(GT1クラス)に参戦するレーシングカーのホモロゲーション取得を目的として製造されたのが公道バージョンのCLK GTRシュトラッセとCLK GTR ロードスターです。
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生産わずか20台、近代のクルマでは「ウルトラレア」なメルセデス・ベンツCLK GTRが競売に登場。予想落札価格は13億円オーバー
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メルセデス・ベンツはわずか128日でCLK GT(レーシングバージョン)を作り上げる
そしてメルセデス・ベンツはこの新しいクラスに参戦するために急遽CLK GTRの開発に取り掛かることになり、専用のカーボンファイバー製モノコックをもたせながらもわずか128日でこのレーシングバージョンを完成させたといい、車体ミッドに搭載されるエンジンはSクラス / SLに積まれていたものにチタン製コンロッドを組み込むなどのチューンを施して完成させています(このエンジンはのちにパガーニにも供給される)。
トランスミッションはレース用6速シーケンシャル、駆動輪は後輪のみ、0−100km/h加速は3.8秒、最高速は330km/hというスペックを誇ります。
サスペンションはプルロッド式ダブルウィッシュボーン、ブレーキシステムは6ポッドキャリパーにカーボンコンポジットディスクという(当然ながら)レーススペック。
反面、ヘッドライト、テールライト、リアグリルやドアハンドルは市販モデルのCLKと共有するというシュールな一面も。
非常に短い時間で開発されたCLK GTRではありましたが、1997年にはサーキットにおいて十分な競争力を発揮し、シリーズを構成する11イベントのうち6つで優勝するという圧倒的な強さを誇り、ポルシェ911 GT1そしてマクラーレンF1 GTRを圧倒してドライバーズおよびコンストラクターズチャンピオンシップを獲得することに(翌年にもダブルタイトルを獲得している)。
なお、公道バージョンのCLK GTRシュトラッセが発表されたのは1997年のフランクフルト・モーターショーで、まずは2台のプロトタイプが製造され、その後追加20台の生産がメルセデス・ベンツのモータースポーツ部門であるAMGとHWAに委託されることとなっています(後者はAMG創設者のハンス・ヴェルナー・アウフレヒトによって独立したレース事業部として創設されている)。※市販バージョンのCLK GTRは排気量と馬力がアップし、アンチロックブレーキシステム、エアコン、オーディオが取り付けられている
当初、メルセデス・ベンツはCLK GTR「ロードスター」を生産する予定はなかったというが
なお、メルセデス・ベンツは当初CLK GTRシュトラッセにオープンモデルを投入する予定はなかったといい、しかしなんらかの理由で1台のみオープンモデルが作られ、そのオープンモデルが「あまりに魅力的であったため」クーペの生産が完了した後に5台のみ”ロードスター”が作られることになったのだそう。
オープン化に際してはもちろんルーフ、そして(ルーフ上の)インテークが取り除かれ、かわりにインテークの位置がサイドに移動し、ミラーの位置、シート後部のロールフープ、新デザインのフロントグリルとリアウイングが追加されています。
このメルセデス・ベンツCLK GTR ロードスター(シャシーナンバー000034)は最初の1台含めて合計6台が製造されたうちの3台目で、シルバー外装にグレーインテリアというメルセデス・ベンツらしい組み合わせを持っており、メルセデス・ベンツによって認定された技術者によるメンテナンスを受けている、と説明されています。
現在の走行距離はわずか170キロ、そして付属品も揃っており、まさにコレクションとしては「理想的」。
めったに売り物が出てこないために多くのコレクターが今回の出品に注目していることは間違いなく、予想落札価格はなんと最高で1300万ドル(現在の為替レートで19億4200万円)に設定されており、実際にどれくらいの価格で落札されるのかが気になりますね。
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参照:RM Sotheby's