ポルシェは新型911GT3にマニュアル・トランスミッションを復活させるなど、数少ない「マニュアル・トランスミッション車を製造するスポーツカーメーカー」。
ほかにマニュアルトランスミッションを製造するのはアストンマーティン程度で、ランボルギーニ、フェラーリ、マクラーレンは既に「MT廃止済み」となっていますね。
そんなポルシェですが、エンジニアのGernot Döllner博士がRoad & Trackに語ったところでは、「ハイブリッドモデルにはマニュアル・トランスミッションを設定しない」とのこと。
これは商業的な理由(もとが取れない/コストが高い)ではなく、「ハイブリッドはAT(PDK含む)と組み合わせた時にのみ、その経済性が最大化する」ため。
ハイブリッドシステムとマニュアル・トランスミッションとの組み合わせだと制御が難しかったり、エンジンとモーターとのバランスを取ることが困難なのだと思われますが、常に自動化において「最大の天敵」は人間だと言われる現象なのかもしれません。
現在ポルシェは「全モデルのエレクトリック化」に向けてほかメーカー同様に動いており、この流れだと911や718ボクスター/ケイマンもハイブリッド、もしくはEV化されることに。
その場合気になるのは「もし911にハイブリッドが登場したら、やはりマニュアル・トランスミッションはなくなるのか」ということですが、この問いに対してもGernot Döllner博士は「イエス」と応えており、ポルシェ最後の「NAエンジン」採用で「マニュアル・トランスミッション」を持つモデルは将来的に相当な価値を持つことになりそうですね。
ただ、(ぼくが生きている間はそういった時代は来ないと思いますが)将来的に、ガソリン車を所有していたとしても、「ガソリンを入手できない」もしくは「ガソリン車の運転が違法になる」時代が来るかもしれず、そういったときに「今も生産され続けている」ガソリン車はどうなるんだろう、と考えたりします。
フェラーリ「もうマニュアル・トランスミッションを作ることはない。絶対にだ」
BMW「マニュアルに加えDCTも消滅。もはやトルコン式ATには勝てない」
ポルシェの911のエンジン開発責任者「もうマニュアルやめるかもしれん」
アストンマーティン「我々はMTを作る最後のメーカーになる。他がどうしようとも」