| 今後も対応パーツはどんどん増えそう |
ポルシェが3Dプリンターにて過去の車の補修用パーツを制作し発売する、と発表。
まず代表的なものとしては911スピードスターのドアミラー、フューエルキャップ・ガスケット、959向けのクラッチリリースレバー、964向けのエキゾースト・ヒート・エクスチェンジャー・ブラケットほか、356のパーツも。
旧車乗りにとって一番困るのは「パーツがない」と言うことになるかと思いますが、メーカーはある程度の期間(国によって義務が異なる。また重要性によっても異なってくる)パーツを保管しているものの、それ以降になるとメーカーにもパーツ在庫がなくなってしまうことが問題。
加えて自動車というのは多くの「サプライヤー(仕入先)」から納入されたパーツを組み立てるもので、たとえば「トヨタの車のパーツは全てトヨタ製ではなく」、そのため生産終了から時間が経つとサプライヤーを変更してしまっていたり、サプライヤーが倒産していたり、サプライヤーが再供給に応じないということもあって、その場合はいくら「メーカーがパーツを供給したいと考えていても」サプライヤーの協力が得られずに供給できないということも出てきます。
ホンダがビートのパーツ供給を拡大し25部品が追加に。いかに過去の車の価値を維持するかが今後は重要
マツダが初代ロードスターのレストア受付を開始。同時に復刻パーツ(ステアリング54,000円など)も販売
日産がR32 GT-R用パーツの再供給開始。順次R33やR34にも拡大し、入手困難パーツは「リビルトで」
なお、ポルシェの場合は今までに製造した車の70%が路上を走っているとされ、初代911もそんなに珍しくはなく、季節と天気の良い日には356を普通に見かけることも。
そういった事情を鑑み、ポルシェは「昔の車のデザインに合う」クラシカルなタイヤを発売したり、整備マニュアルやパーツリストを提供したり、無いパーツは問い合わせができるようにしているのだと思われます。
国が定めた保管義務を過ぎれば、もちろんメーカーとしては「パーツを供給する義務」はないわけですが、そうなるとその車に乗る人はメーカーに対する忠誠心を失ったり、「動かない、修理もできない」車があふれることになり、メーカーとしての信頼やブランド力が低下することに。
そのために最近はフェラーリやジャガー、ランドローバーはじめ、ポルシェやランボルギーニ、そして日産やマツダも自社によるレストアサービスや保証を開始しており、これによってクラシックモデルの価値を維持し、ひいては最新モデルの価値も高めてゆきたいと考えているのでしょうね。