| マカン、カイエンばかりではなく、718ケイマン/ボクスターの主戦場までもが「中国」に |
さて、ポルシェは先ごろ「中国市場への参入20周年記念」として「ポルシェ911ターボS チャイナ 20th アニバーサリー・エディション」を発表していますが、今回は「718スパイダー」を市場へ投入すると発表しています。
もちろん欧米や日本だとすでに「718スパイダー」が発売されており、よって目新しいニュースではないと思っていたのですが、どうやら中国版の718スパイダーのスペックが他地域とは異なる模様。
参考までに、現在718シリーズの多くは中国市場にて販売されているようですね。
本来、ポルシェ718スパイダーは自然吸気6気筒エンジンを積んでいるが
なお、日本における718スパイダーのエンジンは4リッター・フラットシックス/420馬力、トランスミッションは7速PDK(もしくは6速マニュアル)、0-100km/h加速は4.4秒、最高速度301km/h。
ただし今回、中国向けとして公開された718スパイダーに積まれるエンジンはなんと2リッターターボ(トランスミッションは7速PDKのみ)、出力は300馬力、0-100km/h加速は4.7秒、最高速は245km/h。
ちなみに価格は日本だと1289万円、中国だと738,000元という設定です(邦貨換算だと1300万円くらい)。
なぜ中国の718スパイダーは専用スペック?
つまりは中国版「ポルシェ718スパイダー」は専用のスペックを持っているということになりますが、ここで気になるのが「なぜスペックを分けたのか」。
2リッター4気筒ターボ/300馬力というと、日本では(エントリーグレードの)718ボクスター/ケイマンに相当しますが、こちらの0-100km/h加速は5.1秒、最高速は275km/h。
この数字を見ると、中国版718スパイダーにつき、軽量化によって運動性能が向上している部分も小さくないと思われるものの、最高速が低く設定されているところを見るに、相当にローギヤードな設定を持つのは間違いなさそう。
さらに加速性能だけを見ると、400馬力版の「718スパイダー」とあまり変わらない数字を持っていて、もしかすると「扱える範囲のパワー」「その範囲での鋭い加速を実現」ということを考慮するに、かなり楽しいクルマなのかもしれませんね。
その外観についても他の国・地域で販売される718スパイダーとは差があり、フロントバンパー、リアバンパー/ディフューザーは718GTSと同一に見えます。
そのほか、テールパイプの位置にも差があり(中国版718スパイダーはセンター出し)、目を凝らせばさらなる相違が見つかるのかもしれません。
参考までにですが、981世代のボクスター・スパイダー、ケイマンGT4については「中国では登録できない」ということが(当時)判明しており、中国にて予定していた割当台数の一部、もしくは多くが日本へと(予定外にて)入ってくることになったと言われています。
イメージカラーは「フローズンベリーメタリック」
なお、今回オフィシャルフォトに用いられているボディカラーは「フローズンベリーメタリック」。
これはもともと、ポルシェがテニスプレイヤーであるラウラ・シグムントさんのために調合したカラーだと(2017年に)紹介されているものの、2020年8月にはタイカン向けのボディカラーとして設定されることに。
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その後はもちろん718ケイマン/ボクスターでも選択できるようになっていますが、まさに「ピンクを好む中国向け」のボディカラーだとといえるもしれません。
中国版718スパイダーのインテリアはこうなっている
そしてこちらは中国版718スパイダーのインテリア。
センターコンソールにあるインフォテイメントディスプレイには「Boxster RS」という表示が見られるものの、リヤバンパー上のモデルネーム、中国のポルシェ公式サイトを見ても、このモデルについては「718 Spyder」と紹介されています。
ヘッドレスト、スピードスターカバーのサイドにも「Spyder」。
サイドシルにも「Spyder」。
シート形状は他地域の718スパイダーと共通しているように見えますが、ステアリングホイールについてはアルカンターラからスムースレザーへと変更されているようですね。