ポルシェ911にマクラーレンのF1マシン、MP4/3のエンジンを搭載した「930 タグ・ターボ」生産モデルついに公開。車体重量は1,100kg、価格は2億円とも

｜　生産される930タグ・ターボは11台、いずれも実際にF1グランプリを走ったマシンからエンジンをスワップ　｜

「公道で運転できるよう」コスワースによってエンジンの再チューニングがなされると言われている

さて、英国のレーシングカーファクトリー、ランザンテ（＝Lanzante。マクラーレン P1GTRの公道コンバートなどで知られる）がグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて、F1マシンのエンジンを搭載したポルシェ「930 タグ・ターボ（公道走行可能）」を公開。

なお、この930タグ・ターボは2018年10月に発表されたプロジェクトですが、今回ようやくそれが結実したということになり、2台が展示、そして1台が実際に走行する姿を披露しています。

ポルシェ930 タグ・ターボSJ87はこんなクルマ

そして今回公開された3台のうちの1台がこの930 タグ・ターボ「SJ87」。※たぶん女性モデルの起用、そして衣装は80年代を意識したものだと思われる

「SJ87」のSJは（F1ドライバーの）ステファン・ヨハンソンを指し、87は彼が1987年にドライブしたマクラーレンMP4/3フォーミュラ1を指していますが、この930タグ・ターボSJ87に積まれるエンジンは実際に1987年シーズンのオーストリアラウンドでマクラーレンMP4/3に積まれたエンジンそのもの。

こういった事が可能となるのはマクラーレンとのつながりが非常に深いランザンテだからこそ、と言えるかもしれません。

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このポルシェ930 タグ・ターボSJ87には（やはり80年代風の）ハンドペイントが施されていて、使用されるカラーはいずれもステファン・ヨハンソンにちなんでおり、グリーンのアクセントはヘルメットのデザイン（幼い頃の父親のニックネーム "リトル・リーフ "にインスパイアされた）に関連している、とのこと。

さらにブルーとイエローのアクセントはステファン・ヨハンソンの母国であるスウェーデンの国旗、レッドと・ホワイトは、まだマルボロがスポンサーだった当時のマクラーレンのカラーリングに敬意を表しています。

ランザンテは合計11台のポルシェ930タグ・ターボを生産する計画を持っている

なお、ランザンテはマクラーレンMP4/3のエンジン（TTE P01/1.5リッターターボ）をマクラーレンから11基調達する契約を結んでいるといい、つまりは合計11台の930タグ・ターボが作られることに。

そしていずれも実戦で使用されたエンジンだとアナウンスされていて、その中にはニキ・ラウダが乗ったマシンに積まれていたユニットもあるもよう。

参考までに、当時のマクラーレンMP4/3、マクラーレンMP4/2に積まれていたエンジンはポルシェ製のターボユニットで、スポンサーが「TAG＝テクニーク・ダバンギャルド」、製造がポルシェということから、エンジンには「Powered by PORSCHE」、そして「TAG（Techniques ｄ’Avant Garde）」、さらに「Turbo」の文字が刻印されています。

この1.5リッターV6ツインターボエンジンのレッドラインは10,000回転以上ですが、今回930ターボに搭載するにあたって9,000回転にこれを抑えてドライバビリティを向上させているとアナウンスされており、最終的な出力については不明ではあるものの、F1マシンに搭載されていた際の出力は1000馬力程度とも言われ、しかし930タグ・ターボでは500-600馬力程度に抑えられるという報道も。

ただ、この930タグ・ターボの車体重量は（ノーマルから200kg以上軽量化されて）1,100kgくらいに抑えられるとも報じられているので、とんでもなくパンチの効いた車となるのは間違いないものと思われます。

現時点ではその価格や販売方法については公表されておらず（一説では1億6000万円～2億円くらいという話も）、しかしランザンテの顧客を中心に販売され、すでに「完売済み」と考えたほうがいいかもしれません。

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参照：Lanzante（Instagram）