| ポルシェはVWグループ電動化のための活動資金捻出を目的に、限定モデルを強化し利益率を向上させる大役を仰せつかっている |
「911ST」のほか、「ナナサンカレラ」オマージュモデルも登場予定
さて、6月8日、そして7月のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて発表されるのではと言われつつ、実際には情報の公開がなかった911の新たなる限定モデル「911ST」。
これは1970年代はじめに「軽量シンプル、モータースポーツ用」というポジションにて発売された911STへのオマージュだとされ、911GT3RSをベースとし、さらにシンプルさを追求したクルマだと言われます。
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ポルシェ911STは究極のコレクターズアイテム
そして今回、このポルシェ911STが8月2日に発表されるというウワサが出ているのですが、これについては(過去のこともあるので)現時点では「何とも」といったところです。
ただ、この911STにつき、上述の通り911GT3RSをベースとし、しかしリアウイングを取り除く等の改装が行われ、そのスパルタンさ、タイムレスさから「究極のコレクターズアイテム」という意見も方々から聞かれ、すでに情報を持っている人も多いのかもしれません。
もちろん限定販売となり、1台づつにシリアルナンバーが振られるそうですが、名称については「ST」が与えられるかどうかは現時点で不明です。
そこで過去の「911ST」をおさらいしておくと、かつての911STは1970年〜1971年に製造されたレーシングカーで、ベースは911 2.0、そしてこれをモンテカルロラリー向けに”当時の技術の集大成として”改装したもの。
24台がカスタマー向けに生産・販売され、当時すでに存在した「RS」「RSR」に装着されるダックテール、もしくは「サービングトレー」と呼ばれるウイングが装着されていないことが外観上の特徴です(そして現代の911STもこれが再現されることになりそうだ)。
搭載されるエンジンは2.5リッター・フラットシックス、出力は270馬力を誇り、当時「ポルシェ911最軽量」とされた車体と相まって大きな戦闘力を発揮したと言われます(当時のル・マン24時間レースではクラス優勝を果たしたこともある)。
もちろん現代の911STはレーシングカーではなく「ロードカー」としての発売となりそうですが、レーシングカーを連想させる様々な仕様が与えられるものと認識して良さそうですね(もしかすると911のラインアップ中で最軽量となるかもしれない)。
ポルシェは限定モデルを強化する
なお、ポルシェは「75周年」を迎えるにあたって過去に着想を得た一連の911を発表すると見られており、すでにその第一弾として「911スポーツクラシック」が登場済み。
これは911ターボSをベースにしつつも後輪駆動化するなど大幅な仕様変更が与えられ、現段階では「もっとも高価な911」として君臨しています。
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そして次なる限定モデルが911STだと見られ、ラインアップの最後を締めくくるのが「ナナサンカレラ」こと911カレラRSへのオマージュモデルだと言われていますが、もちろんポルシェからは公的に何も語られておらず、よってこのあたりも実際どうなるのか今のところ不透明。
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ただ、ポルシェ自身は911スポーツクラシックを引き合いに出して「限定ラインアップを」強化すると正式にコメントしていて、その理由はフォルクスワーゲングループ全体で「利益率20%を目指す」という戦略、ロード・トゥ 20を達成するためであり、稼ぎ頭のポルシェがその旗振り役を担うというわけですね(現在のポルシェCEOは、フォルクスワーゲングループCEOをも兼任している)。
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そう考えると、911ST、そしてナナサンカレラのオマージュモデルの登場も「まず間違いない」とも考えられ、もしかするとまだまだ多くの「いまだ知られていない」スペシャルモデルが登場するということも考えられます。
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参照:CARBUZZ