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「充電」ではなく「バッテリー交換式」を自社のEVに選んだ中国NIO。電池交換速度で世界記録を更新、「0.5秒に1台」の交換が完了する驚異のスピードを実現

「充電」ではなく「バッテリー交換式」を自社のEVに選んだ中国NIO。電池交換速度で世界記録を更新、「0.5秒に1台」の交換が完了する驚異のスピードを実現

Image:NIO

| NIOは他社との排他性として「バッテリー交換サービス」を導入 |

バッテリー交換は「全自動で」行われる

中国の電気自動車(EV)メーカー、NIO(蔚来汽車)が、同社の象徴である「バッテリー交換(バッテリースワップ)」サービスで驚異的な新記録を達成。

春節(旧正月)の帰省ラッシュという、EVインフラにとって最大の試練となる時期にNIOのシステムはその真価と有用性を証明することとなっています。

記事の要約

  • 新記録樹立: 2026年2月22日、1日のバッテリー交換回数が177,627回に達し、5日連続で過去最高を更新
  • 圧倒的な効率: 全国ネットワーク全体で、平均すると「0.5秒未満に1台」の交換が完了している計算
  • 1億回の金字塔: 2026年2月6日に、サービス開始以来の累計交換回数が1億回を突破
  • 次世代への進化: 2026年第2四半期より、さらに高速で互換性の高い「第5世代ステーション」の大規模建設を開始


春節の「地獄の渋滞」を救うNioのインフラ

中国の春節期間中は「数億人が一斉に移動」するため、高速道路の充電スタンドは数時間待ちの長蛇の列になることが珍しくないと報じられ、しかしNIOのユーザーは「数分」で満充電状態のバッテリーを手に入れて快適な旅を続けているもよう。

そして春節期間中、NIOのバッテリースワップステーションは連日のように「交換記録」を更新しており、そしてついに2月22日には「最多記録」を更新することとなっています。

記録更新の軌跡(2026年2月)

日付1日の交換回数備考
2月15日146,649回春節休み初日の記録
2月18日158,290回
2月19日165,898回
2月20日170,305回
2月21日175,976回
2月22日177,627回現在までの最高記録

最も稼働したステーション(G60高速道路 龍虎山SA)では、1日で191回もの交換を行ったと報じられ、これはステーションが休む間もなく稼働し続けたことを意味します。


ステーションの進化:1.0から次世代5.0へ

Nioのバッテリー交換技術は、この8年で劇的な進化を遂げており・・・。

  • 第1世代 (2018年): 交換に約5分、手動アシストが必要
  • 第4世代 (現在主力): 最短2分24秒。23個のバッテリーを格納し、1日480回の交換が可能
  • 第5世代 (2026年本格導入): * マルチブランド対応: Nio、Onvo(楽道)、Firefly(蛍火虫)の全3ブランド、さらに提携他社のEVにも対応
    • スピードアップ: 第4世代よりさらに「数十秒」短縮
    • エネルギー貯蔵: ステーション自体が巨大な蓄電池として機能し、電力網の負荷調整にも貢献

拡大する「バッテリーの道」

Nioのネットワークは、もはや都市部だけのものではなく・・・。

  1. カバーエリア: 中国全土550都市を網羅。8,600以上の充放電施設のうち、約3,750カ所が交換ステーション
  2. 高速道路網: 1,000カ所以上のステーションが高速道路上にあり、主要な都市群を連結
  3. シルクロード・ルート: 今年、西安から西へ向かう3,133kmの「シルクロード交換ルート」が開通予定。モガオ窟や天池などの観光地を抜け、中央アジアの玄関口・コルガスまで、EVでのストレスフリーな旅が可能に

これを見る限りでは非常に広範にわたるステーションの設置が確認でき、テスラの「スーパーチャージャー」に匹敵する独自のサービスとして機能しているようにも見受けられます。

なお、中国では春節含む大型連休時には「数百キロ」もの渋滞の列ができるとされ、となると寒冷時や灼熱時にはエアコンをフル稼働させる必要があり、「電欠は大丈夫か」「路上が電欠EVで溢れるのでは」と考えたりするものの、そういった話は聞いたことがなく、意外と問題なく走れているのかもしれません。


結論:充電より「交換」が主流になる日

NIOのウィリアム・リーCEOは、「バッテリー交換は、もはやNIOだけの戦略ではなく、業界のインフラとしての合意形成がなされつつある」と語っており、実際に、吉利(Geely)や第一汽車(FAW)といった大手メーカーもNIOの交換アライアンスに参加しているそうなので、NIOはこの技術を販売したり、ステーション使用料を徴収することで「新しいビジネスモデル」を構築できる可能性も。

実際のところ、今年2月6日に達成された「1億回」という交換実績、そして今回の春節での圧倒的なパフォーマンスはEVの最大の弱点である「充電待ち」に対する最も強力な回答であるとも言えそうですね。


参考:Firefly(ファイアフライ)の参入

Nioの低価格サブブランド「Firefly(ファイヤーフライ)」は、当初、車体が小さいために独自の小型ステーションを作る計画であったぞうで、しかしコスト削減と効率化のために第5世代ステーションでFireflyの小型バッテリーも交換できるよう設計が変更。

これによって高級車から大衆車まで、同じインフラを共有する「バッテリー・エコシステム」が完成しています。

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参照:NIO

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