ポルシェが中国人アーティストとのコラボレーションによるタイカンを公開。「彼が我々に依頼したのは、ポルシェがこれまで行った中で最も複雑なペイントでした」

｜　ポルシェはタイカンと著名人とのコラボレーションを非常に好むようだ　｜

完成後はアーティストに納車、そしてアーティストが日常的にドライブすることに

さて、ポルシェがタイカンの「最新アートカー」を公開。

ポルシェはそれほど頻繁にアートカーを発表するブランドではなかったものの、タイカン発売以降は様々な媒体やアーティストとのコラボレーションを積極的に行っており、年に「数回レベル」のアートカーを発表しています。

そしてこういった新しい傾向は、「ポルシェ初の電気自動車であるタイカンを、新しい、そして流行に敏感な層に売り込みたい」という意図によるものだと解釈しています。

ポルシェ・タイカンの最新コラボ先は「ディン・イー」

そして今回ポルシェがタイカン最新のワンオフモデルを制作するにあたって選んだパートナーは十字架を描く特徴的なモチーフで知られる中国人アーティスト、ディン・イー。

実際の製作を担当したのはポルシェの「特別カスタム対応部門」、ソンダーヴァーシュです。

ボディカラーとして選択されたのはポルシェのカスタム塗装プログラム「ペイント・トゥ・サンプル」にラインアップされている「914オリンプブルー」。

そしてボンネット、リアスポイラー、サイドミラーには "アピアランス・オブ・クロス（Appearance of Crosses）2022-2 "というディン・イー独自のペイントを付与することとなっています。

ポルシェのパーソナライズ・クラシック担当副社長、アレクサンダー・ファビッヒ氏によれば「ディン・イーの絵をボディに完璧に再現するためには、量産車の塗装工程の何倍もの時間がかかりました。彼が私たちに依頼したのは、ポルシェがこれまで行った中で最も複雑なペイントワークだったのです」。

このタイカン・アートカーはデザインに重点を置いたものであってパワートレインには手を加えておらず、つまりこのクルマは（タイカン・ターボなので）750馬力を発揮する2つのエレクトリックモーターを搭載しているということになりますね。

そして興味深いのは、このアートカーは直接ディン・イー氏に納車されるとのことで、つまり同氏個人の所有物となり、ディン・イー氏はこれを日常的に乗ることとなるもよう（このクルマがひとたび街なかを走れば、相当なインパクトを与えることになりそうだ）。

ポルシェ・チャイナ社長兼CEOのミヒャエル・キルシュ氏は「ディン・イーとの仕事は非常に特別な経験でした。彼のインスピレーションと情熱は、私たちの想像をはるかに超えていました。ソンダーヴァーシュ・プログラムの存在意義は、お客様のためにエクスクルーシブなクルマを創造することです。これにより、ディン・イーと共に画期的な芸術作品を発表することができるようになったことを嬉しく思います」と述べています。

なお、インテリアにおいてもこの図柄が反復されており、ドアパネル、ダッシュボード、フロントカップホルダー周辺にも見ることが可能です。

ただし、このペイントはキャビン全体に組み込まれたわけではなく、スペース上の理由から個々のディテールのみに留められており、それでも特別な雰囲気を醸し出しているということは、それだけディン・イー氏の作品にパワーが漲っているということなのでしょうね。

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