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さよならフォルクスワーゲン・ビートル。最後の一台が生産を終え、80年の歴史に幕を閉じる

2019/07/11

| 3代目ビートルは2代目ビートルの半分以下しか売れなかった |

フォルクスワーゲン・ビートルは今年で生産を終了することが決定していますが、その「最後の」ビートルがメキシコのプエブラ工場にてラインオフし、ビートルは(いったん、と言いたい)その生涯の幕を閉じることに。

現行「ザ・ビートル」は1938年登場の初代から数えて三代目。
その販売は芳しくなく、2012年から7年間の販売期間中に「北米では500万台が売れたのみ(フォルクスワーゲンにしては”少ない”数字)」。

現代のビートルはそのアイデンティティを失った?

初代ビートル(タイプI)は1938年に登場した後に2003年まで生産が続けられ、総生産台数はなんと2152万台。

この初代ビートル生産中に「ニュービートル」が1998年に登場し、こちらは2010年まで生産されています。
ただ、ニュービートルについて、「ビートル」と名がつくものの、初代ビートルの「空冷」「リアエンジン」ではなく「水冷」「フロントエンジン」へと移行しており、つまりは「全く別のクルマ」へと変貌を遂げています。

このあたり、同じように長い歴史を持つミニやポルシェ911とは異なる部分で、(水冷はともかく)「リアエンジン」というアイデンテティを捨て去ったことになるものの、そのスタイルから人気を博し、こちらは(アメリカだけで)120万台を売るヒット作に。

さよならビートル、VWが販売終了を宣言。なぜビートルはミニやポルシェ911になりえなかったのか?

そして2012年に登場した現行「ザ・ビートル」は上述のように、ニュービートルの半分以下の販売にとどまり、ディーゼルゲートの後遺症に苦しむフォルクスワーゲンとしては「切らざるを得ない」という判断になったわけですね(ザ・ビートルだけではなく、イオスやシロッコなど、多くのモデルが姿を消した)。

しかし「ビートル」はフォルクスワーゲンの歴史そのものであり(市販車第一号がビートルでもある)、フォルクスワーゲン・グループ・オブ・アメリカのスコット・コーCEOは「ビートル抜きのフォルクスワーゲンは考えられない。だがしかし、ついにその時は来た。ビートルが我々のブランドにもたらした進化そして役割は永遠に忘れ去られることはないだろう」とも語っています。

実際にフォルクスワーゲンのアメリカ法人は、ビートルに対して相当な思い入れがあるようで、つい最近も「初代ビートルを新車で購入し、ずっと乗っている人」のクルマを無料でレストアし公開したばかり。

1966年に新車で購入して以来、毎日乗られてきたビートルがVWによって無料でレストアされることに

なお、「最後の」フォルクスワーゲン・ビートルは「デニム・ブルー」のボディカラーを持つクーペ。
この個体については顧客に引き渡されるわけではなく、メキシコにあるフォルクスワーゲン博物館に展示するとのこと。

加えて「アメリカ市場向けとして」最後にラインオフしたキングス・レッドのビートルも博物館に収納されることになるそうです。

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ちなみにこちらはビートルの最終記念限定モデル、「ザ・ビートル・ファイナル・エディション」。

初代ビートルの最終限定モデルへのオマージュ!ザ・ビートルに「ファイナルエディション」登場

これからどうなるビートル?

現時点では、「次期ビートル」の発売については残念ながら不明。
ただしフォルクスワーゲンはEVとして「ワーゲンバス」を蘇らせる予定を持つなど、過去の資産を積極的に活用する意向を持っています。

さらにこれについては、ポルシェなどフォルクスワーゲングループに属する各社も同様の動きを見せているので、「グループ全体」の方向性と考えて良さそう。

そうなるとフォルクスワーゲンは「ビートル」という自らのルーツそしてビッグネームを放置するわけはなく、想像するよりも早い段階で「次期ビートル」の声を聞くことができるんじゃないかと考えています。

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