| いくらなんでもこのクルマを900万円で買う人がいるとは思えない |
さて、先ごろは「中国の自動車メーカーが初代C1コルベットを完全コピー」というお話をお届けしましたが、この自動車メーカー”SongSan Motors”はほかにもコピーを製造販売している模様。
そしてその”C1コルベットに続く”コピー商品は、VWバス(T1)を模した「サマー」なるクルマです。
アメリカに続いてドイツという節操の無さを感じますが、つまりは「世界の名車を自社で復刻」ということなのかもしれません。
これ完全にアカンやつ!中国で初代C1コルベットの完全コピーが発表。HPにはトム・クルーズ、ブラッド・ピットらの写真も(たぶん無断で)使用される
SS「サマー」は豪華なキャンピング仕様
実写を見ると、前に突き出たボンネットが設けられていたり、実際のフォルクスワーゲン・バスと異なる部分は多いものの、そのカラーリングやホイールは「誰がどう見てもVWバス」。
サイドのドアはスライド式、バックドアは観音開きのようにも見えますね。
フロント2座に加えて後部には回転機構を備えるセカンドシート、そしてサードシートも確認でき、ユーティリティの高さが伺えます。
中国では「アメリカン」が好まれないとされるが
なお、車両のまわりにはアメリカっぽいバイクも展示され、これもSongSan Motorsの製品なのかもしれません。
ちなみに中国は思想教育の一環として「アメリカを仮想敵国」としており、一般にアメリカを象徴するような製品は好まれないとされ、その反面、イタリアやイギリスなど欧州の製品が好まれる傾向にある、とも言われます。
ただ、今回SongSan MotorsがC1コルベットのコピーを発表したところを見るに、それも時代とともに変化してきているのかもしれませんね。
現地メディアの報道によれば、このSSサマーに搭載されるパワーソースは1.5リッターターボ+エレクトリックモーターという「プラグインハイブリッドシステム」だとされ、これもSSドルフィン同様に中国のBYDより供給を受けたユニットなのだと思われます。
ちなみに価格は邦貨換算で900万円くらいに設定されているようですね(この価格ではとうてい売れるとは思えない・・・)。
中国では「レトロ」ブーム?
そして初代コルベット、VWバスのほかにもレトロなクルマが北京モーターショーを賑わせており、こちらは長城汽車によるコンセプトカー「フューチャリスト(Futurist)。
長城汽車は「大手」に属するだけあって安易なコピーに走らず、自社にて独自のデザインを行おうとしたであろうことがわかります。
なお、現地メディアによると、このデザインを監修したのは、以前にランドローバーにてデザイナーを務めていたフィル・シモンズ氏である、とのこと。
そしてこのフューチャリスト・コンセプトは「ラグジュアリー・ピュアエレクトリックカー」という位置づけで、一回の満充電あたり走行可能距離は700キロ、そしてレベル3相当の自動運転機能を備える、と報じられています。
レトロなようでいて、おそらくヘッドライトとテールランプはLEDを採用し、そしてフェンダーミラーのように見える小さなミラーは「デジタルカメラ」なのだと思われます。
インテリアについては、レトロとフューチャーとが融合する、なかなかに魅力的なデザイン。
なお、中国には共産党幹部御用達ブランド「紅旗」がありますが、そのフラッグシップモデルもレトロな外観を持っており、日本同様に、こういった「ノスタルジックな」クルマに惹かれる人々も中国に存在するということになりそうです。
参照:SongSan Motors, CarNewsChina