
Image:Jaecoo
| もはや一部の人にとっては「コストパフォーマンスが良ければ」クルマはなんでもいい? |
記事のポイント(3行まとめ)
- 販売台数激増: Jaecoo 7が英国の12月新車販売でテスラ「モデル3」や「ミニ」を抜き去り、総合6位にランクイン
- 圧倒的な格差価格: 本家レンジローバー・イヴォークより約14,000ポンド(約270万円)も安く、「格安高級車」として話題
- 評価は真っ二つ: 専門誌の評価は「星2つ」と酷評される一方、ユーザーからは「7年保証と豪華装備」が熱狂的な支持
なぜいま「中国車」が英国で受けるのか
「見た目はレンジローバー、価格は庶民派」。
そんな驚きの1台が、今イギリスの自動車市場を席巻しており、それは中国・奇瑞汽車(Chery)が放つ新ブランド、JAECOO(ジェイクー)のSUV、「JAECOO 7」です。
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あまりの激似ぶりと、中国発の格安ショッピングサイトになぞらえて、SNSでは「Temu版レンジローバー」という不名誉なニックネームまで付けられているこのクルマではありますが、しかし「笑えない」現実もあり、なんと2025年12月の販売台数では(レンジローバーはもちろん)あのテスラやミニを抑えて第6位に食い込むという快挙を成し遂げることに。※リアはレンジローバーに似ているが、フロントはそれほど似ていないようだ
なぜ酷評される一方、これほどまでに売れているのかを見てみましょう。
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詳細:酷評を覆す「実利」の勝利
まず、英国の自動車誌『What Car?』は、この車に5つ星中「2つ星」という厳しい評価を下しています。
「乗り心地が悪く、ハンドリングも鈍い」「安全支援システムが過剰に干渉してくる」というのがその理由ですが、消費者の反応は真逆であり・・・。
- 「7年間の長期保証」(多くの欧州車は3年程度)
- 「圧倒的な豪華装備」(大型ディスプレイ、高品質な内装素材が標準)
- 「イヴォークにそっくりのルックス」
これらが圧倒的に支持されているとも報じられ、専門家が重視する「走りの質感」よりも、目に見える「豪華さ」と「安心感」、そして「圧倒的な安さ」が英国の買い手の心を掴んだ、とも見られています。
Image:Jaecoo
車種概要:JAECOO 7 のスペックと価格
JAECOO 7は、見た目こそ巨大に見えますが、サイズ感としては日産エクストレイルと同等のミドルサイズSUVです(立派に見えることも消費者に受け入れられた要素のひとつなのかもしれない)。
主要諸元・比較表
| 項目 | JAECOO 7 (ガソリン車) | レンジローバー・イヴォーク |
| パワートレイン | 1.6L 直列4気筒ターボ | 1.5L 3気筒ターボ 等 |
| 最高出力 | 約143 ps | 約160 ps |
| 開始価格 | £30,115 (約580万円) | £44,755 (約860万円) |
| 保証期間 | 7年 / 16万km | 3年 / 10万km |
※1ポンド=193円換算。価格差は約270万円に達する
競合比較:もはや「偽物」と呼べない市場支配力
かつての中国車は「ただのコピー」で終わっていましたが、今の勢いは本物で、現在、英国で販売される新車の10台に1台が中国製となっており、シェアは前年の2倍に急増しています。
特にJAECOO 7は、イギリスの名門「MG」のSUVであるMG HSをも販売台数で上回っており、「ブランド名」に頼らずとも、「モノが良くて安ければ売れる」というシビアな市場環境を証明しています。
【新発見】自動車業界に迫る「Temu現象」とは?
今回のニュースで注目すべきは、自動車業界でも「ブランドの民主化が起きているという点。
これまで「レンジローバーのような高級SUV」は限られた富裕層の持ち物で、しかし中国メーカーは最新の製造技術を駆使し、見た目と装備だけを切り取って「手の届く価格」で提供し始めているのが現実です。
これはファッション業界で「SHEIN」や「Temu」が既存のブランドを脅かしている構図と全く同じで、「走り」にこだわらない層にとってクルマはもはや「動くガジェット」であり、コストパフォーマンスが最優先される時代に突入したのかもしれません。
結論
「Temu版レンジローバー」という呼び名は半分は揶揄ですが、半分は「安くて便利な代替品」として認められた証拠。
専門家がどれだけ走りの粗さを指摘しても、圧倒的な価格差と7年保証という「安心」が、多くのユーザーにとっての正解となったのだとも考えられ、中国車ブランドの台頭は、もはや一時的なブームではなく、世界の自動車勢力図を塗り替える大きな地殻変動と言えそうです。
ただ、中国車にはいまだ「故障・修理時のサービス体制が整っていない」「保険料が割高」「売却時の価格が悲惨」などの問題も指摘されており、この勢いが続くかどうかはこれらの課題をどう解決してゆくかにかかっているとも考えられますが、ここを乗り越える事ができたならば、そのときは「いよいよ中国の自動車メーカーの実力は本物である」ということになるのだと思われます(基本的に中国のメーカーは”売りっぱなし”傾向が強く、アフターサービスが苦手な傾向にある。これをどう克服するかがカギ)。
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