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VW「一部のEVにつき、2022年の予定生産分がすべて完売」。ガソリン車とEVとの価格差が想定よりも縮小したことが原因だと分析

2022/03/21

フォルクスワーゲン

| フォルクスワーゲンの想定は、EVとガソリン車の価格が接近するには「あと2−3年」かかるというものだった |

ただし現在はEV製造のための原材料費が大きく高騰

フォルクスワーゲンが「一部の車種において、2022年における、EVの予定生産分をすべて売り切った」との報道。

これはブルームバーグが報じたものですが、「一部車種」が何なのか、「予定生産分」がどれくらいであったのかは現時点で不明であり、ただ今からフォルクスワーゲンのEVを注文すると、早くても(一部車種での)納車が2023年以降になるのは間違いなさそう。

いずれにせよ、これはフォルクスワーゲンにとっては大きな成功と言ってよく、消費者にとっては「困った事態」ではあるものの、同社にとっては歓迎すべき状況なのかもしれません。

フォルクスワーゲングループの電動化率は急上昇

なお、フォルクスワーゲングループの各ブランドは、先週相次いで2021年の業績を公表していますが、グループ全体でのPHEVもしくは電気自動車の販売は前年比で80%増加したといい、合計で76万2000台に達しています。

その中でもポルシェの電動化比率はかなり高くなっていて、欧州市場に限っていえば40%に達しているとも報じられていますね(もともとの販売台数がさほど多くないところに、タイカンやその他PHEVの販売が組み込まれたため)。

ポルシェ
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VWグループのアルノ・アントリッツ最高財務責任者(CFO)によると、「私たちは、より良い市場規模、より良いマージン(利益)、高い顧客需要を獲得した」とコメントしており、今回の結果には満足しているもよう。

なお、この成功の要因としては「電気自動車の価格がガソリン車と同等にまで下がった」ことを挙げていますが、ちょっと前には「ID.6は利益が出ていない」とも述べているので、そこから状況が大きく改善したのかもしれません。

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加えてアルノ・アントリッツ氏は「電気自動車とガソリン車との価格が接近するには、あと2〜3年かかると考えていた」とも語っていて、しかしこれは電気自動車の価格が下がったことに加え、ガソリン車の価格が上がったことも関係していそう。

というのも、近年は触媒に使用するパラジウムなどの価格が急騰しており、それによってガソリン車の価格が上がっていると報じられ、とくに「触媒の価格が車両価格に占める比率が高い」小型車ほど車両価格が上がりやすく、そしてフォルクスワーゲンの主戦場は「コンパクトカー市場」でもあるため、もっとも「EVとガソリン車との価格が接近しやすい」市場だったのかもしれません。

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ただし問題は今後の「原材料高等」

ただ、現在の受注が好調といえども生産できなkれば意味はなく、フォルクスワーゲンは現在(ほかメーカー同様)サプライチェーン問題による生産困難に直面しているといい、これに拍車をかけているのが現在のロシアによるウクライナ侵攻。

アルノ・アントリッツ氏はこれらによる原材料費の高騰を「明らかに逆風」だと認めており、いずれはこの価格上昇を車両価格に反映させる必要があり、そうなったときには「一旦縮小した」ガソリン車との価格が再び開いてしまうのかもしれません。

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参照:Bloomberg

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