| 原因は主に紫外線、しかしここに熱や湿度などの複数要因が絡んでいるものと思われる |
実際に発生した問題は98件、フォルクスワーゲンは対応がやや遅かったと言えるだろう
さて、日本の夏はある意味で「世界で最も過酷」だと言われることがあり、その理由は(紫外線や赤外線含む)直射日光の強さや気温のみではなく、都市部では渋滞、そしてアスファルトやコンクリートが熱を持つことによる輻射熱が強いからだとされ(よって路面数十センチの温度が異常に高くなることも)、自動車にとっては非常に過酷な環境であると認識されているわけですね。
よって、「世界で最も気温が高い地域」である(カリフォルニアの)デスバレーにて度重なるテストを行ったとしても、日本の酷暑を乗り越えることができずにトラブルが発生することも珍しくはなく、今回もそういった「日本の暑さに耐えかねた」ことに起因したと思われるリコールの届け出がなされることに。
フォルクスワーゲンはゴルフシリーズ合計79,762台をリコール
今回「日本の気象条件」に関連するリコールを届け出たのはフォルクスワーゲンで、その内容は「紫外線によってパーツに劣化が生じミラーが脱落する」というもの。
よって単純に気温や赤外線による熱のみではなく「紫外線」が問題視されているということになりますが、その内容は以下の通り。
ドアミラーにおいて、特定の環境下で使用過程における紫外線の曝露が大きい場合、ミラーガラスの保護コーティング層の劣化進行に影響を及ぼし、車両の走行振動等により、ミラーガラス部に緩みが生じるものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、最悪の場合、ミラーガラス部が脱落して後方の交通状況等が確認できなくなるおそれがある。
国土交通省
なお、対策としてはガラス面を対策品と交換することになりますが、これまでに実際に生じた問題は98件もあり、フォルクスワーゲンがこの問題を知ったのは「市場からの情報による」。
つまり本国(本社)からの情報ではなく日本市場で起きた問題によってこの状況を把握したと考えられ、よって「日本特有」のトラブルなのかもしれません。
そして日本特有となる理由としては、上述の「暑さ」「紫外線」のほか「湿度」も関係していると考えて良く、これによって様々な材質が想定を超えて早く劣化するのだと思われます。
対象となるのは平成25年5月7日~平成29年9月5日に輸入されたゴルフGTI、ゴルフR、ゴルフGTE、ゴルフ、ゴルフヴァリアントの(トータルで8車種)79,762台だと報告されており、本題発生件数を考慮するに、「ちょっと対応が遅かった」リコールかもしれませんね。
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