| 2つのうち「ウインドウ」に関するものは北米でもリコール届出済み |
ポルシェが911に連続してリコールを届け出るのは非常に稀なケースである
さて、比較的リコールが少ないという印象があるポルシェのスポーツモデルですが、6月に入りポルシェジャパンが911シリーズに対し2件のリコールを届け出。
まず1件目は911ターボ、911カレラGTS、911GT3、911GT3 RS、911ダカールに関連するもので、対象となる輸入期間は令和3年10月20日~令和5年10月18日、影響を受けるのは全297台だと記されています。
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プログラムの問題にて「意図せずサイドエアバッグが開いてしまうことがある」
これら5車種にどういった問題が起きるのかというと「意図せずサイドエアバッグが開いてしまうことがある」。
実際に日本国内で発生した問題は0件ですが、ポルシェジャパンは本国ドイツからの情報提供によって今回のリコールを実施しており、本社では(本国あるいは他の国や地域にて発生した)問題を認識しているということになるのかもしれません。
なお、対策としては「プログラムの各換え」だとアナウンスされており、問題の詳細は以下の通り。
左右フロントシートに装着されているサイドエアバッグにおいて、エアバッグ制御コンピューターのプログラムが不適切なため、当該エアバッグを必要としない前面衝突等で誤って展開することがある。そのため、意図しないサイドエアバッグの展開により乗員が負傷するおそれがある。
国土交通省
さらにポルシェは「不適切なガラスの接着」によるリコールも実施
加えてポルシェジャパンは911カレラ、911カレラ4、911カレラ4GTS、911カレラS、911カレラ4S、911ターボ、911ターボS、911カレラGTS、911カレラT、911GT3、911ダカール、911スポーツクラシック、911GT3RSの合計13車種、1,281台についてもリコールを届けており(対象輸入期間は令和2年10月13日~令和6年4月4日)、問題の内容は「フロントガラス/リアウインドウの接着不十分」。
こちらもやはり「本国からの情報」に基づいてのリコールで、日本国内で発生した問題は幸いなことにゼロ。
問題の内容としては以下の通りに届け出られています。
前面及び後面ガラスにおいて、ガラス製造時の洗浄工程が不適切なため、ガラスの接着が不十分なものがある。そのため、ガラス接着面からの水侵入や走行中の風切り音が発生し、最悪の場合、車両衝突時にエアバッグの衝撃で前面ガラスが外れ、エアバッグによる乗員保護性能を担保することができない。
国土交通省
参考までに、今年3月には北米にて「フロントガラス/リアウインドウの接着力が不十分」として911シリーズに対してリコールの届け出がなされていますが、こちらの場合だと「ガラスが外れる場合がある」としてのリコールであってエアバッグについて触れられてはいないものの、その原因としては今回の日本の例と同じだと考えていいのかもしれません。
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なお、今回の日本のリコールの場合、その改善措置としては「全車両、前面及び後面ガラスを点検し、異常がある場合は該当するガラスを良品と交換する」という内容が示されています。
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参照:国土交通省