| フェラーリにこんなカラーリングがあったとは |
1952年製、そしてワンオフのギア(Ghia)製ボディを身にまとった「フェラーリ212インテル」が1億8000万円にて販売中。
なおクラシックフェラーリには様々なバリエーション違いがあり、過去にも「珍しいアルミボディのデイトナ」「アルミボディの250GT」「ピニンファリーナデザインのフェラーリ275(本来はスカリエッティ)」といった個体がオークションへと登場していますね。
現代とは異なり、かつては職人が木型に鉄板やアルミ板を当てて「叩いて」ボディを作っていたこと、ボディのデザインや製造をフェラーリが外注していたためにこういった「細かな仕様違い」が生じるわけですが、そこがまたクラシックフェラーリの面白いところでもあります。
まさか日本で?納屋で発見された、世界に1台の特別なフェラーリ・デイトナ。1972年のカーグラ誌にも登場
【競売】ピニンファリーナが死の直前まで保有していた、自身のデザインによるフェラーリ275GTB
競売にてフェラーリ250GTが20億円で落札。わずか2台のみ生産のアルミボディ、ルマン5位の経歴
最初に購入したのはアルゼンチン大統領
このフェラーリ212インテルは1952年にパリ・オートサロンに展示された個体そのもの、とのこと。
この時アルゼンチン大統領であったフアン・ペロン氏の目に止まり、同大統領がこれを購入したそうです。
その後は1973年にブエノスアイレス在住のイタリア人が購入し、その後1987年には売却。
1990年には別のオーナーの元でレストアを受け、以降は各コンクール・デレガンスで受賞を重ねるなど輝かしい経歴を誇るに至ったようですね。
フェラーリのサイトによると、212インテルのV12エンジン(2562cc/130-150馬力)はジョッキアーノ・コロンボ。
鋼管シャシーを持ち、フェラーリ初期モデルの中でも生産台数が多かったとされ、ボディの架装はギアのほか、ギア・アイグル、ピニンファリーナ、ファリーナ、トゥーリング、ヴィニャーレ、アボットなどがある、とされています。
加えて212インテルははじめてピニンファリーナ製のボディが載せられたモデルで、これ以降つい最近までピニンファリーナとフェラーリとの関係が続くことに。
他のフェラーリではまず見かけないカラーリングですが、レストアによって「復元」されたとのことなので、当時からこのイエローとブラックのツートンカラーだったのでしょうね。
それにしても現代のフェラーリとはかけ離れたプロポーション。
同じシャシーでボディ形状が異なると、現代においては「空力に差」つまり性能差が問題視され、212インテルのように「複数バリエーション」が存在することはなさそうですが(製造工程上もまず作り分けはできない)、212インテル製造当時はあまり空力が重視されなかった時代だったのでしょうね。
エンツォ・フェラーリ自身、「エアロダイナミクスなんぞは、エンジンを作れない奴がやっとけ」という名言を残していて、ボディ形状には無頓着だったのかもしれません。
インテリアも外装同様、非常に美しい状態ですね。
昔のフェラーリはこんな感じだった
なお、昨年イタリアのムゼオ・フェラーリを訪れたときに展示してあった212インテルと同年代の車(166インテル?)。
昔のフェラーリはこんな感じだった、というのが今でも信じられないほど。
ボディには数々のバリエーションがあるためにサイズは公式記録はなく、しかし実際に見た感じでは「これゴーカート?」というくらい小さな車です。
そしてこちらもほぼ同年代(1953年)の340MM。
なお212インテルにもオープンモデルが存在する、と言われていますね。
イタリアはムゼオ・フェラーリ・マラネッロにて。クラシックモデル、レーシングカーを紹介
VIA:MotorGT