| ブガッティEB110、フェラーリF40とも現在の価値は「数億円」 |
まさにそのスペックとパッケージング「そのまま」の結果に
さて、90年代を代表すると言ってもいいスーパーカー、フェラーリF40とブガッティEB110との加速対決という「夢のカード」が実現することに。
ちなみに両者とも市場から高く評価されており、現在では「数億円」という価値を誇るので、非常に贅沢な内容のドラッグレースということになりますね。
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フェラーリF40、ブガッティEB110はこんなクルマ
そこで両者のスペックを見てみると、まずブガッティEB110は1994年に発売されたスーパーカーで、ランボルギーニを辞したオラチオ・パガーニやパオロ・スタンツァーニといった新旧世代のエンジニア(おまけにデザイナーはマルチェロ・ガンディーニであり、ある意味でオールスター)が手掛けたことでも知られます。
搭載されるエンジンは3.5リッターV12クワッドターボ、最高出力560hp、最大トルク610Nm、そしてトランスミッションは6速マニュアル・ギアボックスを介して4輪に送られますが、「クワッドターボ+4WD」という現代のブガッティの基礎を作ったクルマでもありますね(ただし当時のブガッティは現在のブガッティとは完全に別の会社である)。
車体重量は1,690kg、発売当初は英国にて285,000ポンド(現在のレートだと5320万円くらい)ではあったものの、現在の相場は「3~4億円」くらいです。
対するフェラーリF40は1991年に発表された「ほぼレーシングカー」なスーパーカーであり、まったく快適性を考慮していないという点で決定的に異なります。
搭載されるのは480馬力と580Nmを発揮する2.9リッターV8ツインターボ、トランスミッションは5速マニュアル、駆動輪は後輪のみ、そして車体重量は1,350kgと非常に軽量です。
新車価格は160,000ポンド(現在のレートでは3040万円くらい)ですが、こちらの相場もやはり3~4億円といったところ。
フェラーリF40とブガッティEB110とがドラッグレースを走ったらこうなった
そこでここからは両者がドラッグレースを走った様子ですが・・・。
出だしでは4WDを採用するブガッティEB110がリード。
フェラーリF40の現役当時、最高速においてはF40がリードしていたものの、加速においてはポルシェ959のほうが優れると言われていて、ローンチコントロールが存在しなかった時代のクルマの対決においては、4WDのほうが圧倒的に有利だということがわかります。
しかしそこから軽量で(RWDなので)駆動ロスの少ないフェラーリF40が追い上げ・・・。
僅差ではあるもののブガッティEB110を制してゴール。
ブガッティEB110のステアリングホイールを握っていたマット・ワトソンはゼロヨンの3/4あたりを過ぎたあたりで「勝った」と思ったようですが、驚くべき逆転劇となってしまったようです。
参考までに、およそ90年代はじめまで、スポーツカーのパフォーマンスについては「パワー、重量、パッケージング」といった基本的な要素がその優劣をシンプルに左右していたものの(それらを見れば性能を予想できた)、日産R32スカイラインGT-R、ランサーエボリューションといった「トルクスプリット4WD」が出てきた当たりから”重くても速い”スポーツカーが出現するようになり、それまでの常識が一気に崩れてしまったように思います。
ブガッティEB110とフェラーリF40とがドラッグレースを走る動画はこちら
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参照:carwow