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スイスに降臨した「ナゾのランボルギーニ・ミウラ」、ミレキオディ!ランボルギーニが公式に認定したイオタスペックを持つワンオフ改造車【動画】

2023/03/02

スイスに降臨した「ナゾのランボルギーニ・ミウラ」、ミレキオディ!ランボルギーニが公式に認定したイオタスペックを持つワンオフ改造車

| ただしミレキオディではイオタの弱点を克服すべく、フロントには大型スポイラー、リアはロングテール化 |

ミウラ「ミレキオディ」とは「1,000本の釘」という意味

さて、先日紹介した、スイスはサンモリッツにて開催されたクラシックカーイベント「アイスレース」。

主に欧州、しかし世界中からさまざまクラシックカーやレーシングカーが集合することとなっていますが、その中に登場したのが「奇妙なミウラ」。

通常のミウラとは異なる、シャープなエッジを持つボディを身にまとう個体でありますが、これはミウラP400S ミレキオディ(Millechiodi)なるクルマなのだそう。

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ランボルギーニ・ミウラ・ミレキオディはこんなクルマ

このミウラ・ミレキオディはまず1969年に「ミウラP400 S、シャシーナンバー4302」として誕生しており、同年11月にブルーノッテ(ダークブルー)にペイントされ、サンタアガタ・ボロニェーゼ(ランボルギーニの本社工場)を出発しています。

その後数人のオーナーの手を経て1975年にはジョバンニ・ソトジウ(Giovanni Sotgiu)氏とウォルター・ロンキ(Walter Ronchi)氏という2名の管理となるのですが、この2名はミラノのランボルギーニディーラー、「ランボルカー」で仕事をしていたということ、そしてボブ・ウォレスが製作した「イオタ」の最初のオーナーであったということからも、ランボルギーニの歴史にとっての重要人物だとされています(イオタのオーナーに関するくだりでは諸説ある)。

Lamborghini-Miura-Millechiodi (8)

この2名は、彼らの所有物となった、しかし事故にて破損したミウラP400S(シャシーナンバー4302)をレーシングカーのように変身させたいと考えて改造を行うことになりますが、(1971年のクラッシュで失われた)イオタの再来を目指し、ミウラP400Sをベースとしながらも、イオタに近いメカニズムを与えるというカスタムを施したのがこのミウラ・ミレキオディ(ミッレキオディ)。

Lamborghini-Miura-Millechiodi (7)

なお、ミレキオディ(Millechiodi)というのはイタリア語で「1000本の釘」を意味するそうですが、この名称は(イオタ同様に)無数のリベットを用いて形成されたボディパネルに由来する、とのこと。

Lamborghini-Miura-Millechiodi (6)

果たしてこの2人はミウラP400Sを独自のスタイルにて蘇らせることに成功するわけですが、イオタとも異なるスタイルを持っており、それは「高速域での走行中にリフトを起こしてクラッシュした」イオタの二の舞いにならないようにという配慮からなのかもしれません(この2名はイオタの事故に直接関わったわけではないが、イオタの最初のオーナーでもあり、イオタの弱点について理解していた可能性がある)。

Lamborghini-Miura-Millechiodi (3)

実際のところ、このミウラ・ミレキオディはフロントに大型スポイラー、リアにはコーダルンガ=ロングテールが与えられ、空力性能を強く意識したということも見て取ることが可能です。

なお、現在のボディカラーはヴェルデ・スクーロ(ダークグリーン)にゴールドという組み合わせ。

Lamborghini-Miura-Millechiodi (5)

このランボルギーニ・ミウラ・ミレキオディは「正統である」という認証をランボルギーニから受ける

このミウラ・ミレキオディはモデナのボンポルトにある工房にてレストアを受けており(2018年)、その後にランボルギーニのクラシックカー部門であるポロストリコの認証を受けたことで「由緒正しいランボルギーニの改造車」という認定を受けたということになりますが、こういった改造車(しかもランボルギーニ本社が行ったものではない)が認証を取得する例は極めて稀。

Lamborghini-Miura-Millechiodi (4)

基本的にポロストリコの認証は「すべて純正部品、かつ工場出荷時の状態をキープしていること」前提でなされるものの、ランボルギーニのグローバル・アフターセールス・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ファルメスキ氏によると「このクルマに関する認証の難しさは、オリジナルの仕様からの特定の”逸脱”に関係しています。実際、これらは単なる即興の改造ではなく、非常に高いレベルで、歴史的な期間内に明確に定義された特定の改造が行われたため、(事故車を回復するにしても)新車時の状態に戻しても意味がなかったでしょう。我々は、このミウラ・ミレキオディにつき、ランボルギーニ・ポロ・ストリコがその特別な歴史と、ポロ・ストリコが歴史的意義のある使用期間中の改造車に対して発行する歴史認定証のため、特に大切にしています」とのことで、その改造の目的や技術、そしてそれらがランボルギーニの伝統に則ったものであることを評価したのだと考えられます。

Lamborghini-Miura-Millechiodi (2)

これまでにも様々な「固有の仕様」を持つミウラの存在が報じられていますが、これまでには「ドライサンプ化されたミウラ」「アルミボディのミウラ」「サウジ王族の依頼でカスタムされたミウラ」など様々なスペックを持つミウラが存在し、これらはやはり「ハンドメイドにて制作されていた時代」ならではの事情なのだと思われます。

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参照:Lamborghini, Automotive Mike

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