| さらには過去の伝統を取り入れつつ、ランボルギーニとしての新境地を開いていることも高く評価 |
やはり一流のデザイナーは目の付け所が全く違う
さて、フェラーリ、ミニ、BMW、マセラティなどのアイコニックなモデルをデザインしてきたフランク・ステファンソン。
コロナ禍に入って時間ができたためか自身のYoutubeチャンネルを開設し、そこでは様々なクルマのデザイン的レビューを行っていますが、その歯に衣着せぬ毒舌ぶりが大変な人気となっています。
そして今回のターゲットとなるのはランボルギーニが発表したばかりのEV「ランザドール」。
世界で最も重要なーデザイナーの一人がどういった印象を行ったのかを見てみましょう。
ランボルギーニ・ランザドールのルーツは10年前に遡る?
まずフランク・ステファンソンは「ランボルギーニ・ランザドールは、10年前に発表されたイタルデザイン・パルクールを思いこさせる」とコメント。
これはアウディR8をベースとしたコンセプトカーですが、知っての通りアウディとランボルギーニは同じグループ内にあり、R8はそれぞれの世代において、ガヤルドとウラカンとで多くを共有することとなっています。
そしてイタルデザインは現在ランボルギーニが株式を有する子会社であり、そのイタルデザインが横に繋がりのあるアウディR8の車体を使用することは特に不思議ではありません(実際にイタルデザインはアウディR8をベースにしたスーパーカー、ゼロウノを発売している)。
フランク・ステファンソンはこのパルクールをして、ランザドールと「ボディスタイルに共通性が見られる」としているわけですが、フォルクスワーゲングループはほかにもアウディ・ナヌークやフォルクスワーゲン・コンセプトTなど「オフローダーとスポーツカー(もしくはGTカー)とのクロスオーバー」的コンセプトをいくつか製作しており、いずれかの機会でこういったクルマを市販したいと考えていて、それがようやくランザドールにて実現したということなのかもしれません。
そのほか、フランク・ステファンソンは「EVなのでフロントに大きなエアインテークを取り付ける必要性」について疑問を呈しているものの、それもまたランボルギーニであることを示す重要な要素であることに言及しており、かつアヴェンタドールやカウンタックLPI800-4の要素をうまく落とし込むことで、どこからどう見てもランボルギーニに見えるようにデザインがなされている、とコメント。
反面、ヘッドライトやフロントフードのライン(これまでのランボルギーニは、フロント先端からフロントウインドウに向けて狭くなる、Aシェイプとも台形とも取れるプレスラインを持っていたが、ランザドールはそうではない)なと新しい部分にも言及し、それらがうまく機能していることについても触れています。※個人的な意見だとして、SUVとしての力強さを表現しているという見解を示している
ランボルギーニ・ランザドールはフランク・ステファンソンのデザイナー魂を強く刺激
そして異なるラインが複雑に、しかしいずれのラインもランボルギーニを定義づけるものであることにも触れていますが、たしかに言われて見て「なるほど」と思う部分もあり、さすがフランク・ステファンソンの着眼点は一般人とまったく違うな、という印象です。
もちろん、そういったディティールを「それとなく」仕込むランボルギーニのデザイナー、ミッチャ・ボルカーとの腕前にも驚かされます(同氏はランボルギーニの歴史を深く理解しており、過去と現在、未来とをうまく結びつけるデザインを行うことで知られる)。
さらには「ボディとウインドウとの高さの比率」「SUVであってもヴィジュアルウエイトを下げるために導入された手法」についても語っていますが、このあたりからかなりエキサイトしていて、つまりランザドールはフランク・ステファンソン氏のクリエイティビティを強く刺激したということになりそうですね。
そのほか、リアについても「普通はこうあるべきところが、そうなっていない」というダイナミックなチャレンジについて高く評価。
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さらにインテリアに関しても最大限の賛辞を贈っており、フランク・ステファンソンはランザドールをいたく気に入っていることもわかります。
なお、いつも最後に行う「採点」についてはなぜかなされておらず、しかし仮に点数をつけるならば、かなりの高得点を獲得していたであろうことは想像に難くありません。
フランク・ステファンソンがランボルギーニ・ランザドールのデザインについて語る動画はこちら
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